短距離走のように全力疾走するのとは違って、1000万円の貯金となると時間がかかるため、計画的にペース配分していく必要があります。そこで本記事では、「1000万円貯金したい!」という方に向けて、毎月どれくらいの貯金が必要か計算していきます。

50万円や100万円くらいの貯金であれば、支出を切り詰めれば数カ月~数年で蓄えることができます。しかし、ケタが変わって1000万円ともなると話は変わってきます。

短距離走のように全力疾走するのとは違って、1000万円の貯金となると時間がかかります。マラソンを走るように計画的にペース配分していく必要があります。そこで本記事では、「1000万円貯金したい!」という方に向けて、毎月どれくらいの貯金が必要か計算していきます。

◆投資なしで1000万円を貯める場合

まずは、純粋に貯金だけで(利殖することなく)1000万円を貯めるには、どれくらい貯金する必要があるか考えていきましょう。

ここでは参考例として1000万円を蓄える期間として「5年」「10年」「15年」の3パターン計算していきます。

●5年で1000万円貯める場合

5年(=60カ月)で1000万円を貯める場合、月々の貯金額は1000万円÷60カ月となり、月々およそ16万7000円のペースで貯金する必要があります。

●10年で1000万円貯める場合

10年(=120カ月)で1000万円を貯める場合、月々の貯金額は1000万円÷120カ月となり、月々およそ8万4000円のペースで貯金する必要があります。

●15年で1000万円貯める場合

15年(=180カ月)で1000万円を貯める場合、月々の貯金額は1000万円÷120カ月となり、月々およそ5万6000円のペースで貯金する必要があります。

以上、見れば分かるように、1000万円を蓄えようと思うと、それなりの金額を、それなりの期間続ける必要があります。

貯金は長期にわたって続きますから、「無理のあるペース配分」だと精神的にもキツくなるでしょうから、何カ月か実際に貯めてみて、自分にとって心地よいペース配分がどのくらいか調べて、人生設計に合った形で貯金を進めると良いでしょう。

◆投資ありで1000万円を貯める場合

とはいえ、1000万円くらいの貯金となると、蓄えている間に物価が上がるなどして「貯金の価値が目減りしてしまう」リスクが出てきます。

ですから、筆者が1000万円を蓄えるとするなら、株式や債券などを買って、インフレに備えつつ利殖することを考えます。

例えば、1000万円の貯金を「50%株式」「50%債券」という配分で蓄え、年2%一定のペースで利殖できるとしましょう。この利回りでお金が増える場合、貯金のペースは少しゆっくりにすることができます。

●5年で1000万円貯める場合(年2%複利)

5年(=60カ月)で1000万円を貯める場合、月々およそ16万円のペースで貯金する必要があります。利殖しない場合と比べると、月7000円のゆとりができそうです。

●10年で1000万円貯める場合(年2%複利)

10年(=120カ月)で1000万円を貯める場合、月々およそ7万7000円のペースで貯金する必要があります。利殖しない場合と比べると、月7000円のゆとりができそうです。

●15年で1000万円貯める場合(年2%複利)

15年(=180カ月)で1000万円を貯める場合、月々およそ4万9000円のペースで貯金する必要があります。利殖しない場合と比べると、月7000円のゆとりができそうです。

あくまで「利殖がうまくいく」という前提ですが、投資の利回りは積立期間が長くなるほどならされて安定すると思います。まずは少額から試してみる価値はある気がします。

◆まとめ

以上が、1000万円を貯めるために必要な月々の貯金額です。

もっとリスクを取って利殖のペースを年4~5%くらいまで早めることもできるかもしれません。利回りを高めたい場合は、自分のリスク許容度に合わせて、どれだけ株式や不動産などのリスク資産にお金を回すかも含めて計画してみるとよいでしょう。

1000万円の貯金は「マラソン」と同じで、無理な計画ではうまくいきません。自分のペースや性格、目標などと照らし合わせながら、現実的な落としどころを探ってみてはいかがでしょうか。

文:中原 良太(個人投資家・トレーダー)

18歳に株を始め、25歳でYahoo!株価予想達人で「ベストパフォーマー賞」を受賞。主に株式投資とマネー(お金)についての情報をSNSやYouTube、メルマガなどで発信。IQ上位2%のMENSA会員。

文=中原 良太(個人投資家・トレーダー)