◆“南極での食事”に注目した理由
食と農の「今まで」「今」「これから」を発信する「東京農業大学『食と農』の博物館」では現在、企画展「南極飯!」を開催中(※2025年3月29日(土)まで)。こちらは田留准教授が企画したそうで、「これまでいろいろな博物館で、南極に関する展示というのはたくさんあったかと思いますが、今回は“食”にスポットを当てて展示しています。なぜ“食”に注目したかというと、南極では食事が一番の楽しみになるんです。また、食べることによって集中力が増し、心を落ち着かせて観測もうまくいく側面もあるので企画しました」と説明します。
田留准教授によると、日本の南極観測隊の場合は現地にシェフが2人派遣され、出発前に“1人1トン(1年分)”の計算で食材を調達したうえで現地に入り、食事バランスやメニューを考えて隊員たちの食事を作るそうです。
ここで、川瀬が「南極での特別な日の食事だったり、特に印象的な食事なんかはありましたか?」と質問すると、田留准教授は「日本の場合『ミッドウィンター祭』と言って、冬至のときに盛大なパーティーみたいなことをやるんです。そのときは全員スーツを着て、ちゃんとしたフルコースを食べると聞いています」と回答。ちなみに、田留准教授が派遣されたのはベルギーの基地だったため、そのフルコースを食べることはできなかったそうです。
さらに、これも田留准教授は体験していないとのことですが、南極でも“流しそうめん”を食べることがあると言います。「氷山から穴を掘って(道を作り)、そこにそうめんを流して……一番下に流れる頃には(そうめんが)凍ってないの!? と思ってしまいますが(苦笑)。心を落ち着かせるためにも、普段食べているものをいつものように食べて安心することや、食事を楽しむことが大事みたいですね」と語ります。
企画展では、昭和基地で振る舞われている家庭料理や、昭和基地にいる観測隊員が食べてうれしかった物、おいしかった物を中心に展示しているそうです。
そして、改めて企画展「南極飯!」の見どころを伺うと、「“南極観測隊がどんなものを食べているのか”“なぜ食が大事なのか”。そういったところを見ていただいて、いろいろ感じていただけたらと思います。“食べることは生きること”とよく言いますが、南極ではしっかり食べていないと、指先が冷たくなってきて“命の危険”を何となく感じることもあったります。普段、我々は1日3食を日常的に食べていますけど、それが“命”につながるということをまざまざと感じたのが南極なので、そこをいろんな方に感じてもらいたいです」と話していました。
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<番組概要>
番組名:あぐりずむ
放送日時:毎週月曜~木曜 15:50~16:00
パーソナリティ:川瀬良子
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/agrizm/