世界最強“オールブラックス”と運命の一戦「リポビタンDチャレンジカップ2024」(10月26日、日産スタジアム)が控えるなか、ラグビー日本代表は10月23日、ファンミーティング「みんなで超えていこう。ラグビー日本代表ファンミーティング」を開催した。
会場となった横浜の商業施設「MARK IS みなとみらい」には大勢のファンが集まり、ニュージーランド戦における日本ラグビー史上初の勝利を誓い合った。
■姫野選手「あとはオールブラックスを倒す。それだけ」
ファンミーティングと題した決起会イベントでは冒頭、「日本代表とニュージーランド代表」と題した座談会を実施。元ラグビー日本代表の大西将太郎さん、田中史朗さんらが登場した。
これまでラグビー日本代表は世界最強オールブラックスと過去7戦して全敗。いまだに勝利を掴んでいない。
かつて日本代表としてオールブラックスと戦ってきた田中さんは、「僕たちが若い頃は、『オールブラックスだ』という(畏れる)感覚があった。でも今はもう変わった。オールブラックスと戦って当たり前、そして勝つのがこれからの日本代表。『オールブラックスと戦えてよかった』ではなく、オールブラックスを苦しめ、勝つ日本代表を見たいですね」と主張。大きな拍手が会場を包んだ。
また、田中選手は注目している選手については矢崎由高選手の名前を挙げ、「スピードが世界レベル。あのスピードは世界でもなかなか見られないレベルなので、グラウンドをびゅんびゅん走り回ってほしい」とエール。大西さんは「トライを一番取っているディラン・ライリー選手にやっぱり注目じゃないですか。今はもう中心選手ですよね」と期待を口にした。
後半、ラグビー日本代表チームが会場に到着すると、会場からは大歓声が上がった。
マイクを手にしたエディー・ジョーンズ監督はまず、「たくさんの皆様にお会いできて嬉しい。本当に応援ありがとうございます。チームは宮崎の合宿でしっかりとタフな準備を行ってきた。土曜日のニュージーランド戦に向けて準備は万端だ」と力強く訴えた。
日本代表でキャプテンを務める立川理道選手は、「本当にいい準備ができていますので、土曜日にしっかりと勝てるよう、皆さんの声援を力に頑張っていきたいと思っている」と挨拶。さらに、「これまでの日本代表の試合なんかも反省して、そこから深掘りしながら修正をしていった。合宿に入ってからは本当にニュージーランドに勝つためだけの練習をしてきた。日本代表のラグビーに徹して、最初から最後までプレッシャーをかけ続けて戦っていきたい」と意気込んだ。
手術を経て1年ぶりに日本代表へと復帰した姫野和樹選手は、休養期間中は「第三者の目線で代表を見るのは初めての経験だったんですけど、またこのジャージーを着てプレーしたいなっていう気持ちが日に日に強くなっていった」と振り返り、手術した右肘については「本当に万全です。あとはオールブラックスを倒す。それだけです」と闘志を燃やした。
ファンミーティングにはラグビーファンの子どもたちも参加。選手たちと質疑応答の時間も設けられた。少年から「ニュージーランド戦で鍵になるのは誰か」と問われたエディー監督は、次のように回答してファンミーティングを締めくくった。
「ニュージーランド戦は歴史を変えるチャンス。これまで日本が勝ったことはないが、スタートから80分間、日本らしくプレイしていくことが重要。ラグビーは最高のスポーツで、15人のプレイヤー全員がボールを持った瞬間にキープレイヤーになる。そして今質問してくれたあなたこそがキーサポーターだ」
過去7戦全敗を喫した強豪相手に、エディー・ジャパンがどこまで力を発揮できるか。2期目のエディー・ジャパンから目が離せない。