マイナビは先ごろ、「2025年卒の就活生に対する『就職後の副業や投資』」に対する調査結果の内容を発表した。
調査結果は、「2025年卒大学生活動実態調査(6月、8月)」「2025年卒大学生活動実態調査(6月)」「2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)」「2025年卒大学生活動実態調査(9月)」を参照して集計されている。
副業と投資に対する学生の高い関心
まず、25卒の就活生を対象に行われた調査では、66.0%の学生が「副業」を、76.9%の学生が「投資」を検討していることが明らかになった。
経済的な不安、特に老後の生活費や年金制度に対する懸念から、就職後の複数の収入源を学生たちが模索していることが伺える。
副業に関しては、「就職先の業務に慣れたら副業を行いたい」(22.9%)、「副業を行いたい」(15.1%)などの声があった。
また、投資に関しては、「社会人になったら必ず行う予定である」(18.6%)、「社会人になったら検討してみたい」(22.4%)、「社会人になってお金に余裕ができたら行いたい」(22.6%)、「すでに投資を行っている」(13.3%)と、将来の資産形成に対する関心の高さが浮き彫りとなった。
学生たちが抱える経済的不安
なぜこれほどまでに多くの学生が副業や投資を考えるのか。その背景には、将来に対する漠然とした経済的不安があった。
調査によれば、学生たちが特に不安視しているのは「老後の貯蓄(生活費)が足りない」(39.4%)、「年金がもらえないかもしれない」(30.8%)といった老後の生活に関することだ。
学生たちは現時点での生活に加え、数十年先の老後も見据え、経済的な備えを考えているようだ。実際に、就職先の給与に対する不安も大きな要素となっている。
「就職先の給与のみで最低限の生活はできそう」と答えた学生は49.4%に対し、「満足する生活ができそう」と答えた学生は36.7%と12.7ポイントの差があり、半数近くの学生が給与だけでは満足のいく生活を送ることができないと感じている。
マイナビキャリアリサーチLab 研究員 中島英里香氏は「今回、学生に対して就職後の収入源についての考えを調査しましたが、学生の段階から将来を見据えて副業や投資を選択肢として考えていることがわかりました。その根底には老後の不安があり、自身の人生を堅実に考えた際の手段として、副業や投資に目を向けているのだと考えられます」と指摘しつつ、「社会人になれば学生時代とはまた違った経験を得られたり、成長できる機会がありますので、遠い将来を見据えるだけではなく、今できる様々なことに挑戦をして、社会人生活を楽しんでいただければと願っています」ともコメントする。