まもなく“免疫力”が試される季節に突入する。早めの準備が必要だ。
キリンビバレッジは11月5日、新たに機能性表示食品「キリン iMUSE(イミューズ)グリーン」を発売する。キリンの独自素材であるプラズマ乳酸菌と1日分のビタミンを配合した新飲料で、「冬の健康を守る発明品」として大々的に打ち出し市場拡大を狙う。
■プラズマ乳酸菌と1日分のビタミンが摂れる「キリン iMUSE グリーン」新発売
「キリン iMUSE グリーン」の発売に先駆け、キリンは10月24日、キリンホールディングス本社でメディア向けの新商品体験会を実施。キリンホールディングスのヘルスサイエンス研究所で研究員として働く城内健太氏、ヘルスサイエンス事業部ブランドマネージャーの桜井可奈子氏、キリンビバレッジ マーケティング部のブランドマネージャー阿戸瑛里子氏らが新商品の特長を説明した。
城内氏は大前提として、キリンと乳酸菌の歴史について「ビール製造で乳酸菌は大敵として知られていて、長年キリンは(ビール製造とともに)乳酸菌を研究していた」と紹介し、「ビール事業で100年以上培った発酵バイオテクノロジーと、35年以上の免疫研究による技術力、それを支える組織体制をフル活用することでお客様の免疫に対する健康課題を解決できると考えている」と主張する。
長年の研究の結果、“pDC(プラズマサイトイド樹状細胞)”の活性化を可能にする「プラズマ乳酸菌」を城内氏たちは発見。pDCは“免疫の司令塔”とも呼ばれる細胞で、2012年にキリンが発表するまで、「乳酸菌によるpDCの活性化は不可能」というのが長年の定説だったが、ついにこれを覆すに至った。
城内氏は一般的な乳酸菌とプラズマ乳酸菌の違いについて、「一般的な乳酸菌はpDCを元気にできませんが、プラズマ乳酸菌はpDCを元気にすることができます。プラズマ乳酸菌がいろんな免疫細胞に『働きなさい』と指令を出すことで免疫全体が活性化します。会社で例えると、一般的な乳酸菌は『1人の従業員が一生懸命働いているが、なかなか成果が上がりにくいような状況』で、プラズマ乳酸菌は、『いろんな従業員が協力し合いながら働いていて、すごいいい結果が得られる状況』だという風に思っている」と比較した。
続いて桜井氏はプラズマ乳酸菌のマーケティング活動について説明。免疫対策市場は健康食品市場全体の瀬尾町立を上回り、今後も継続的な成長が続いくと見込む一方で、「国民のみなさんの免疫に対する意識と行動にはギャップがあることもわかっている」と指摘する。
「(キリンの調査では)約8割の方が『免疫は健康のために必要だ』と理解しているが、実際に免疫ケアを習慣づけたり、何か行動を起こしているお客さまは1割程度。ここに大きなギャップがある。このギャップを埋めるには、免疫の必要性を自分事として強く捉えていただくこと、そして行動のハードルを下げていくこと、この2つが特に重要だと考えている」(桜井氏)
そのうえで桜井氏は、【1】免疫ケアの重要性をいっそう訴えて市場を創造し、【2】免疫ケアに欠かせないものとしてプラズマ乳酸菌の認知度を拡大し、【3】ユーザーとのコミュニケーションをデザインしていくことでブランド価値を提供する、といった3つのマーケティング戦略で“意識と行動のギャップ”を埋めていく意向を示した。
最後に登壇した阿戸氏は、新商品「キリン iMUSE グリーン」について、「この商品をフックに、これまでリーチしきれていなかった『免疫ケアは大事だと思うが、取り入れるきっかけがない』という潜在層にアプローチすることで、間口を拡大していきたい」と語る。
「そこで今回、着目したのが『ビタミン』と『果汁』の領域。ビタミンはわかりやすい健康機能として非常に需要が高く、特に体調が不安になった際などに『ビタミンを取っておこう』とする意識は広く根付いている。加えて、飲料で手軽に健康を手に入れたいと考えるお客さまの選択肢として、『果汁飲料』の需要が非常に高いこともわかった。こういった背景から、免疫ケアと1日分のビタミン(B1、B6、C)を手軽に補える商品として『キリン iMUSE グリーン』を新たに発売した」
「キリン iMUSE グリーン」はグレープフルーツをベースとしたフルーツの爽やかなフレーバーが特徴的で、味もスッキリしていて非常に飲みやすい設計となっている。キリンの調査では92.8%が「好きな味わい」と回答したそうだ。「冬の健康を守る発明品」というキャッチコピーをフックに、プラズマ乳酸菌入り飲料全体で前年比38%増の市場拡大を目指す。