人材紹介業を行うワークポートは、「人事評価の満足度」のアンケート結果を10月24日に発表。同調査は2024年10月9日~10月16日の期間、同社を利用する全国のビジネスパーソン455人(20代~40代・男女)を対象に、インターネットで実施した。
対象者全員に会社の人事評価の基準は明瞭か聞いたところ、「まったくそう思わない」(30.1%)、「あまりそう思わない」(31.6%)が合わせて61.7%という結果に。
明瞭だと思わないと回答した人にどんな点かを聞くと「明確な基準がなく、上司の主観で判断される」(40代・女性・事務)、「面談やフィートバックがない」(30代・男性・その他)など、評価基準の設定や説明がなされていないとする意見が多かった。
会社からの人事評価に満足しているかという質問では「とても不満がある」(32.5%)、「やや不満がある」(34.9%)を合わせて67.4%という結果になった。
不満を持つ理由について、「上司に気に入られた人が評価されるため」(40代・男性・営業)、「何を評価されているのかわからないため」(40代・男性・営業)など、公平性や透明性の低さを原因とする意見が特に多く寄せられた。また、「給与に反映されないため」(30代・男性・製造)といった処遇反映についての不満も多く挙げられた。
会社からの人事評価によって仕事のモチベーションが下がった経験については、「とてもある」(44.8%)、「どちらかといえばある」(31.6%)が合わせて76.4%と8割近くにのぼった。人事評価への不満は「静かな退職」の原因の一つでもあるが、実際に仕事のモチベーションへの影響は大きいという。
理由を聞いたところ、「評価についての説明が曖昧で納得感がないため」(40代・男性・運輸交通)、「がんばっても給与は上がらず責任ばかりが増えたと感じるから」(30代・男性・事務)など、評価や処遇に納得できなかったとする意見が中心となった。
会社からの人事評価が原因で転職をしたことはあるか聞いたところ、「転職した」(18.7%)、「転職を検討した(検討中)」(48.6%)が合わせて67.3%に。約7割の人にとって人事評価は、転職のきっかけともなるほど働く上で重要な要素であることがわかった。
続いて、会社の人事評価に対し、改善してほしいことがあるかどうかを尋ねると、あると答えた人が7割を超えた。
具体的に何を改善してほしいかを聞くと、「評価基準を明確にしてほしい」(30代・男性・事務)とする意見が大多数を占めた。そのほか、「評価に対する根拠と詳しいフィードバックがほしい」(40代・男性・営業)、「成果を給与に反映してほしい」(40代・女性・コールセンター)など、公平性・透明性・納得性の向上を求める意見が寄せられた。