フリー株式会社は開業・起業に関する実態調査を2024年10月に公開しました。レポートでは、収入を目的としない『プレフリーランス』を行っている人も一定数いることが明らかとなっています。『プレフリーランス』とは何なのか、調査結果などをもとに考察します。
未開業・副業を行っている会社員のうち『プレフリーランス』は21%
フリー株式会社が行った今回の調査の概要は以下のとおりです。
- 調査期間:2024年9月27日~9月30日
- 調査方法:Webアンケート方式
- 調査対象:20代~60代の男女
- 有効回答:1,053件(本調査)
- 質問項目:開業しているか、開業できていない理由は何か等
調査において、開業・起業をしていると回答した人は全体の9.1%でした。逆に開業していない方に対して収入の状況を質問すると、本業以外での収入もある人が12.3%いることがわかりました。
また、開業していないが本業以外の収入があると回答した人に対し、収益が発生する活動を始めたきっかけを聞くと、「収入を増やすため」が65.3%と最多を占める一方で、「趣味」「スキルアップ」と回答した人が21.2%いました。今回の調査では、未開業で本業以外の収入があり、かつ、収益が発生する活動を始めたきっかけが「趣味」「スキルアップ」である人を『プレフリーランス』(開業とは違う疑似的なフリーランス活動を行っている)と定義しています。
プレフリーランスとは
プレフリーランスとはどのような人なのか、さらに詳しく考察していきます。
フリーランスに興味はあるが検討中の方
プレフリーランスの活動目的は収入ではないとしながらも、スキルアップなども含まれています。よって、将来フリーランスになる可能性も最初から排除しているわけではなく、多少は意識していると思われます。
プレフリーランスとして「お試し」の活動をしながら、フリーランスとしてやっていけるのかを模索している人も多いでしょう。
スキル不足が課題と考えている人
同じ調査で開業・起業できていない・したくない人に理由を聞いたところ、スキル不足が44.5%、時間的な余裕が39.8%、やりたいことが決まっていないが31.3%となっています。
多くのプレフリーランスはスキルにまだ自信がないことで、開業にブレーキをかけていることがわかります。
フリーランスになりたい人が考えておきたいこと
筆者はフリーランスとして、8年以上活動しています。その経験や他のフリーランスの意見などをもとに、これからフリーランスになるかを検討している人が考慮すべきポイントを簡単に解説します。
スキルと専門性を見極める
どの分野で働くか、自分の持つスキル・専門性を検討しましょう。1つに決める必要はなく、複数あっても問題ありません。
また、フリーランスとして長く活動するなら、需要の多い分野であることも重要です。自分の興味・関心と社会の需要が重なる分野を探してみましょう。
自己管理能力を鍛える
企画提案から納品や請求まで、スケジュールどおりに進める必要があります。自分でスケジュール管理し、納期を守ることでクライアントからの信頼につながります。
仕事もプライベートも、自分が主体となって管理するよう意識してみてください。
スキルは実際の案件を通じて磨く
開業しない理由としてスキル不足を挙げる方が多く、本やスクールなどで学んでいる方もいるかもしれません。しかし、本当のスキルは実際の案件をこなすことで身に付くものです。
最初は未経験者でも応募できる案件を受注しながら、スキルを身に付け、レベルアップしていくことが重要です。案件をこなしていくと、自分が本当にフリーランスとしてやっていけるのかが判断できるようになるでしょう。
簿記の知識を得ておく
フリーランスは、日々の経理や会計の処理も自分で行わなくてはなりません。最近はクラウド会計ソフトも普及し、簿記の知識がなくても操作できるとアピールしています。しかし、簿記3級程度の知識があると、会計ソフトの操作方法を理解しやすく、仕訳などもより楽に処理できます。
筆者は簿記を勉強しておいたおかげで、会計ソフトや確定申告がとくに難しいと思ったことはなく、毎年スムーズに申告できています。簿記3級程度の知識は、フリーランスになる前に学んでおくのがおすすめです。