Q:iOSを最新版にしたら、macOSも最新版にしたほうが良いですか?

A:連係機能やアプリの互換性などの理由で、同時にアップデートした方が使いやすいと考えられます

Appleは毎年秋に、iPhone、iPad、Mac、Apple Watchの最新OSをほぼ同時にリリースしています。

複数のデバイスを使っている場合、同時にアップデートした方が良いのでしょうか。

結論から言うと、同時にアップデートするのが良いと思います。その理由と、最新版の「メモ」アプリの新機能も合わせてこの記事で紹介します。

連係機能の使用やシステム条件のために双方のアップデートが必要

MacとiPhoneを連係して使う機能の中には、両方のデバイスで最新版のOSが動作していることを条件とするものがあります。

本連載の以前の記事で紹介した「iPhoneミラーリング」がその例です。

Appleのサポートサイトにシステム条件が掲載されています。

  • Appleのサポートサイトのページです。赤枠で囲んだ通り、macOS SequoiaとiOS 18が必要です

また、MacとiPhoneという本連載の趣旨からは外れますが、2024年秋にリリースされたApple WatchのOSであるwatchOS 11を使うには、iOS 18を搭載しているiPhoneが必要です。

  • AppleのサイトのwatchOS 11のページには、iOS 18を搭載したiPhoneが必要であることが記載されています

こうした例のように、Appleのデバイスを複数使っている場合、最新の連係機能を使うには双方のOSを最新版にする必要があることがほとんどです。その連係機能を使わないならどちらかのみをアップデートすることも不可能ではありませんが、その一方でApple WatchのOSをアップデートする場合はどうしてもiPhoneもアップデートする必要があります。ここで例に挙げたもの以外のデバイスの組み合わせや使いたい機能によっても、同様の条件が必要となる場合があります。

このような状況を考えると、アップデートするなら使っているデバイスをすべてアップデートするのが紛らわしくなくて良いのではないかと思います。

アプリの互換性の問題もあり得る

OSがアップデートされるときは、付属アプリの新機能も多く登場します。

「メモ」アプリを例にとって紹介します。macOS SequoiaとiOS 18の「メモ」アプリでは、折りたたんだり拡げたりすることのできるセクションを作成できます。iOS 18が動作しているiPhoneで作成してみます。

  • 「メモ」アプリで、見出しと、それに付随する内容を入力しています。1つ目の見出しである「調査の目的」にカーソルが置かれている状態で「あぁ」のツールをタップします

  • フォーマットの「見出し」をタップして選択すると、見出しのフォーマットになります。この後、「調査方法」の行も同様に見出しのフォーマットにします

  • 「調査の目的」にカーソルを置くと、先頭に「V」の記号が表示されます。この記号をタップします

  • 「調査の目的」のセクションが折りたたまれました。「調査方法」のセクションも同様に操作できます

また、macOS SequoiaとiOS 18の「メモ」アプリでは、文字列にハイライトをつけることもできるようになりました。

  • 文字列を選択し、フォーマットの設定で色のついた丸をタップします。メニューが表示されたら、使いたい色をタップします

  • 選択していた文字列に、選択した色のハイライトがつきました

このiPhoneとmacOS Sequoiaが動作しているMacで同じApple Accountを使ってサインインし、「メモ」アプリを同期します。そしてMacで「メモ」アプリを開きます。

  • macOS Sequoiaの「メモ」アプリです。iPhoneで設定した通りに、折りたためるセクションやハイライトが再現されています

なお、上記の説明とは逆に、Macの「メモ」アプリで作成してiPhoneの「メモ」アプリで開いても同様です。

さて、macOS Sequoiaの1つ前のOSであるmacOS Sonomaが動作しているMacで、同じApple Accountを使ってサインインし、「メモ」アプリを同期して、先ほどのメモを開いてみます。macOS Sonomaの「メモ」アプリには、折りたためるセクションやハイライトの機能がありません。

  • macOS Sonomaの「メモ」アプリです。見出しのフォーマットは設定されていますが、折りたたみはできません。また、ハイライトも反映されていません

テキストの内容そのものは同期されているので、まったく使えなくて困るというわけではありません。しかし、旧バージョンでは最新の便利な機能を使うことができませんし、OSやアプリのバージョンが異なるデバイスを行き来していると「こちらのバージョンの機能はどうだったかな」と戸惑うこともあります。

ほかのアプリでも最新機能に関しては同様であることが多いので、並行して使うデバイスは同時にアップデートするのが良いと考えられます。

【今回の余談】
一般に、OSやアプリのバージョンが変わると、新機能が追加されたという理由で、あるいは機能に大きな違いはないとしても、ユーザーインターフェイスが微妙に変わっていることがあります。「あれっ?」というような、ちょっとした違和感があるのですね。使っているうちに、目や指先の操作でいつの間にか慣れて覚えているものだなぁと思います。
それでは次回も、よろしくお願いします。