日本能率協会総合研究所は10月22日、「味の地域差に関する調査2024《味嗜好編》」を発表した。調査は2024年5月31日~6月14日、全国に居住する20~79歳の男女3,575名を対象にオフラインで行われた。
好きな味として「しょっぱい味(塩味)」は伸長が続き、女性20~30代は7割超
好きな味について18項目を提示したところ、基本五味の1つである「しょっぱい味(塩味)」は時系列でみると増加傾向が続いており、長期で確認できる20~50代の時系列では6割を超え過去最高値となった。特に男性20~40代と女性20~30代の割合が高く、女性20~30代は7割を超えて高い。一方で、女性70代は3割を下回り、年代差がみられた。旨味に該当する「うまみのある味」と「甘い味」は高く推移が続いている。
東北、四国、九州エリアでは「地元・出身地方の郷土料理」が好まれる傾向
20近い料理ジャンルについて好きなジャンルを確認したところ、「和風の家庭料理」が約9割で最も高くいずれのエリアでも9割前後とエリア差はみられなかった。次いで「洋風の家庭料理」「中華風の家庭料理」が7割台で続く。
エリア差がみられた料理ジャンルを確認すると、「北海道料理」はその名のとおり北海道が6割強と顕著に高く、「地元・出身地方の郷土料理」は東北と四国、九州が全国平均と比べてやや高い。首都圏は他エリアと比べて割合の高い料理が多く「北海道料理」や「フランス料理」「イタリア料理」など、様々な料理を楽しんでいる様子がうかがえる。
北海道、東北エリアでは「納豆」が好まれ、よく食べられる傾向
70近いメニューに対して「好きなメニュー」と「好きかどうかにかかわらず年間をとおして週に1回以上食べるメニュー」を確認したところ、「納豆」はエリア差がみられるメニューだった。
北海道と東北、北陸・新潟は、好きなメニューとしての割合が6割強と他のエリアと比べて高く、一方で関西と中国、四国は半数を下回った。また、好きの割合が最も高い東北は、週に1回以上食べる割合も6割弱と全国で最も高く、また全国平均と比べて10ポイント以上高い。
天ぷらを食べるときの調味料は「天つゆ」が最も高く「しょうゆ」はエリア差が目立つ
天ぷらを食べるときによく使う調味料では「天つゆ」が最も高く、東北が7割強と他のエリアと比べてやや低いもののその他のエリアはいずれも8割前後。次いで「塩」「大根おろし」「つゆの素・めんつゆ」「しょうゆ」と続く。「しょうゆ」は最もエリア差がみられ、東北と北関東・甲信は3割に近く高いものの、関西と中国、九州は1割を下回った。他方で、関西と四国は「ウスターソース」が1割を超えており他のエリアと比べて高い傾向だった。
首都圏の男性は、他エリアの男性と比べて自分で料理を作る傾向が高い
自宅での食事を作る割合において、首都圏の男性は他エリアの男性と比べて「ほとんど自分で作る」の割合が2割半と高い。一方で、東海エリアの男性は「ほとんど自分で作る」の割合が14.4%と低く、「ほとんど家族が作る」は5割半。なお「ほとんど家族が作る」の割合をみると、四国エリアの男性は約6割と他のエリアと比べて高い傾向にある。