あしたのチームは10月22日、「マネジメントの悩み」に関する調査結果を発表した。調査は2024年7月10日~15日、全国の企業に勤める30歳以下の正社員のうち、部下のマネジメント経験が2年以上4年未満で、直接マネジメントする部下が2名以上いる男女216名(男性143人、女性73人)を対象にインターネットで行われた。
管理職の悩みは年齢や経験に関わらない?
同社は中小企業の未来を担い、変えていく、30歳以下の若手管理職を「新しい会社のリーダーズ」と名付け、彼らの意識・実態やマネジメントの悩みなどについて調査を行っている。
今回、30歳以下の若手管理職に悩みを聞いたところ、1位「チームの人材不足」30.1%、2位「部下のモチベーション管理」27.8%、同率3位「部下とのコミュニケーション」・「自分自身のスキル不足」26.4%となった。上位の項目を見ると、管理職の悩みは年齢・世代や管理職経験の長さ・豊富さに関わらない、普遍的なものなのかもしれない。一方、最も回答割合が少ないのは「組織内の政治や人間関係」15.3%だった。若手管理職「新しい会社のリーダーズ」は全体を俯瞰で見て調整することが得意な人たちであることがわかっており、組織内の人間関係に悩む人が少ないのは、彼らならではかもしれない。
30歳以下の若手管理職の本音、実は「管理職をやめられるならやめたい」が半数以上
管理職を経験してみて、管理職をやめられるならやめたいと思う人は「そう思う」21.8%、「ややそう思う」33.3%を合わせて55.1%で、半数を超えることが明らかになった。「自ら管理職になることを希望していたか」の回答別で見ると、管理職になることを希望していなかった人は「やめたい」の割合が6割以上(「そう思う」18.6%、「ややそう思う」44.1%の計)と全体より多くなっており、自ら管理職になることを希望していた方も「そう思う」25.4%、「ややそう思う」29.1%と、半数以上が「管理職をやめたい」と思っていることが分かった。
管理職をやめられるならやめたいと思う理由を尋ねたところ、「仕事量やストレスに対して報酬が低すぎる」(25歳男性、その他の業種)、「勤務時間と収入が見合わないと感じる時がある。長時間労働でプライベートが疎かになっているため」(30代男性、製造業)、「ストレスが多く、プライベート時間が減るため、バランスが取りにくいから」(28歳女性、製造業)、「上の方と部下の方との板挟みが精神的につらいため。残業時間が劇的に増えるため」(29歳男性、卸売業・小売業)、「期待やプレッシャー、責任が重い」(24歳男性、医療・福祉)、「自分のキャリアプラン構築やメンタルケアもできないのに、部下のことも考えなければいけないから」(30歳女性、製造業)といった回答が寄せられた。
先輩管理職の真似したいこと、反面教師にしたいことは?
若手管理職が目指すリーダー像を知るため、これまでの上司にしてもらってうれしかったこと・真似したいことと、反面教師にしたいこと・自分はしないようにしたいと思うことを聞いた。
うれしかったこと・真似したいことには、「判断に迷った時点で遠慮なく何度でも聞いてよいと言ってもらえたこと」(29歳男性、医療・福祉)、「業務の進捗状況を定期的に見てもらっていたこと。その業務報告で問題点があった時は、何時間も一緒に問題解決に取り組んでくれたこと」(29歳男性、建設業)、「理由を聞かずに怒ったりしない」(23歳男性、学術研究・専門・技術サービス業)、「ミスした時に怒らずにフォローし、帰りに食事させてくれたこと」(28歳男性、不動産業・物品賃貸業)、「徹夜勤務の後に飲みに連れて行ってくれたこと」(26歳女性、情報通信業)、「上司に褒められたり、努力を認めてもらったりすることでモチベーションが向上した。自分も部下に感謝の気持ちを伝え、努力を評価することを心がけたい」(28歳女性、製造業)などの回答が寄せられた。
反面教師にしたいことには、「自分ができるから人もできるという押し付け」(29歳男性、複合サービス業)、「気分で接し方を変える」(26歳女性、その他の業種)、「機嫌の悪さを見せる」(30歳男性、医療・福祉)、「人前で叱る」(29歳女性、製造業)、「忙しいアピールをすること。チャレンジもせずに無理だと決めつけること」(24歳男性、その他の業種)、「上司が部下の意見を無視したり、一方的に指示を出したりすることを反面教師にしたいです。自分は部下の意見を尊重し、協力的な環境を作りたいです」(28歳女性、製造業)、「威圧を"叱咤激励"と勘違いする対応」(26歳女性、漁業)といった回答が集まった。