AlbaLinkは10月18日、「引っ越し中のトラブルに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年8月31日~9月11日、引っ越しをしたことがある521人を対象にインターネットで行われた。
引っ越し中のトラブル1位は「荷物の破損・傷」
引っ越し経験者521人に「引っ越し中に経験したトラブル」を聞いたところ、1位は「荷物の破損・傷(148人)」、2位は「時間が予定通りに進まない(101人)」だった。3位「旧居・新居に傷がついた(49人)」と4位「搬出入できない荷物がある(35人)」は、主に大型家具・家電の搬出入に関わるトラブル。引っ越し作業のメインである荷物の搬出入に関わるトラブルが多数。また「近隣住人からクレームが入った」「追加料金の請求」など、業者や隣人とのトラブルが起きた人もいた。
詳しくみていくと、1位「荷物の破損・傷」には、「引っ越し業者に頼まずに、家族のみで引っ越しをしました。テレビを運び入れる際、手が滑ってしまい、液晶が割れて壊れてしまったことがありました」(30代女性)、「業者がこたつを落とし、天板が割れた」(40代男性)、「ガラステーブルが粉々に割れた」(50代女性)といった回答が寄せられた。引っ越し業者が落としたなど業者に責任があるケースや、自分で引っ越ししていて破損してしまったケースも。破損の理由は「手が滑って落とした」「梱包が甘かった」「大型家具の分解に失敗した」など。「ガラス製の家具や食器が割れた」というケースが多く見られたほか、電子ピアノやビデオデッキなど家電の破損・故障の体験談も複数寄せられた。
2位「時間が予定通りに進まない」には、「午前中に終了する予定でお願いしていたのに、予定の時間に遅れられた。さらに話が長かったので、『午後から仕事なんです』と告げて急いでもらった」(20代女性)、「引っ越し業者が掛け持ちで、自分たちの前の引っ越しがスムーズに進まず、トラックが遅れてやってきたことがあった」(50代男性)などの回答が寄せられた。多かったのは「引っ越し業者が時間通りに来ない」という体験談。繁忙期や土日の場合、引っ越し業者は1日に何件も搬出入作業を行うため、前の作業が遅れると到着時間が遅くなる。また引っ越し業者の作業ペースが遅かったり、道が混んでいたりして、予定通りの時間に引っ越しが終わらなかったケースもあった。
3位「旧居・新居に傷がついた」には、「家財道具を家に搬入する際、床を家具で傷つけられてしまいました。業者さんからは『家の荷物搬入口が狭いから』と言われてしまいました」(40代女性)、「引っ越し業者さんが新居に掃除機を運んだときに、床に落とされました。掃除機は無事でしたが、床が少し傷つきました」(50代女性)といったエピソードが寄せられた。搬出入時に家具家電が床・壁にあたると、傷や汚れがつくことがある。傷の原因になった家具家電としては、冷蔵庫・洗濯機・ソファ・ピアノ・ベッドなど大きなものが多かった。その場で気づいた人もいたが、なかには業者からの申告がなく、引っ越し業者が帰ってから気づいたという声も。
その他にも、「引っ越し先のエレベーターが思いのほか狭く、マットレスが入らなかった」(40代男性)、「預けたはずの荷物の一部が行方不明になったことです。家具のひとつが行方不明になってしまい、見つかりませんでした」(40代男性)、「引っ越しの足音などがうるさかったらしく、階下の住人からクレームが入りました。防音シートを引くなどのオプション対策を行ったことで、費用がかかりました」(20代女性)、「契約時に提示された値段とは別に、当日に高速道路代をプラスで請求された」(30代女性)など、様々なトラブルが寄せられた。
引っ越し中のトラブルへの対処法は「引っ越し業者に連絡・対応依頼」
引っ越し中のトラブルへの対処法として最も多かったのは「引っ越し業者に連絡・対応依頼(206人)」だった。一方、2位「何もしない・そのまま(107人)」、3位「自力で対応(103人)」もそれぞれ100票以上を集めていて、トラブルがあっても業者に連絡しない人も多いとわかる。
「引っ越し業者に連絡・対応依頼」を選んだ人からは、「退去する物件の壁紙に傷をつけられた。引っ越し業者へ連絡し、修繕費用を負担してもらった」(30代女性)、「業者が引っ越しの日を間違えていて、スタッフが来ませんでした。何度も連絡して、今日中に来てほしいと伝えました。業者のミスなので、早急に手配しますとの返事でした」(40代女性)、「引っ越し業者側のトラブルで荷物の到着が1日遅れた。違約金を支払ってもらったのと、ホテルに一泊する費用を払ってもらった」(50代男性)といったエピソードが寄せられた。
「何もしない・そのまま」と答えた人からは、「仕上がりが適当だった。スタッフが威圧的だったので怖くて何も言えず、『もう二度と頼まない』と思った」(30代女性)、「加料金を請求されたが、当日のことで時間がなかったため、泣き寝入り。後日クレームを入れようかとも考えたが、遠方になり『担当者に連絡つきません』と言われるのがオチだろうと思い、そのままにした」(30代男性)、「食器の破損があり、壁に薄い傷がつきました。知り合いの業者さんだったので、何も言いませんでした」(50代女性)といった回答が寄せられた。何もしなかった理由は「クレームを入れるほどのことでもないと思った」「梱包が不十分で破損したなど、自分にも責任があった」など。また「急いでいたので」「面倒だった」という理由も目立った。引っ越しでバタバタしているときなので、少しの傷なら「まあしょうがないか」と諦める人も多いようだ。
その他、「『契約と違うから』と運んでくれない荷物があった。業者はいくら言っても聞いてくれなかったので、自ら何回も往復して運んだ」(30代女性)と自力で対応した人や、「梱包していたお皿が割れていました。その場で引っ越し業者に見せました」(50代女性)とその場で指摘した人、「荷造りの時間が足りませんでした。親戚に手伝ってもらい、かろうじて荷物集荷には間に合わせました。手伝った親戚は私の持ち物の数に呆れていた模様でした」(40代女性)など、家族や親戚、友人に頼るという人もいた。
引っ越し中のトラブルを避けるためにしたほうがいいことは「業者とのこまめな連絡」
トラブル経験から学んだ「引っ越し中のトラブルを避けるためにしたほうがいいこと」を聞いた。その結果、圧倒的1位は「業者とのこまめな連絡(130人)」だった。2位「引っ越し前後の状態をチェックする(62人)」、3位「余裕あるスケジュール(60人)」、4位「慎重な業者選び(57人)」が続く。トラブルを予防するためには、「業者とのこまめな連絡」「梱包」「採寸」「養生」などが重要となる。またトラブルをスムーズに解決するためには、「引っ越し前後の状態を記録に残す」「補償制度がしっかりしている業者を選ぶ」といった工夫が有効のようだ。
具体的には、「しっかりと事前に時間や作業内容を確認しておくことです」(30代男性)、「絶対に壊してほしくないものは、念入りに扱い方を含めて伝える」(30代女性)などの意見が寄せられた。契約内容をよく確認して不明点を潰しておけば、予期せぬ追加料金発生などのトラブルを防ぎやすくなる。また、トラブルが起きたときの連絡方法や対応を決めておくと安心だろう。当日の作業開始時に、「新築なので壁に傷をつけないよう、気をつけてください」などの注意喚起をすることで、トラブルを予防できるのではと考えている人もいた。
「箱に入れる前に、物の写真を撮っておくこと」(20代男性)など、「荷造り時の荷物の状態」「搬出入前の壁や床の状態」を写真などで残しておくことをおすすめする人も多数。「業者が帰る前に、傷や破損がないか一緒にチェックする」という工夫も寄せられた。荷物を紛失した経験がある人からは、「段ボールの数をメモしておく」という回答も。
他にも、「何があるかわからないので、時間に余裕をもっておくことは大切だと思う」(30代男性)、「安いからと便利屋みたいな業者に頼んだら失敗したので、慣れた引っ越し会社に頼むべき」(50代男性)、「緩衝材を多めに用意して、割れて困るものは業者用の梱包材を使ったほうがいいと思います」(50代女性)、「大型の家具家電がある場合には、設置場所を測るだけではなく、扉を通せるかも測っておく必要があると思いました」(30代女性)、「ガムテープの色分けや段ボール箱への記載などで、各荷物をどの部屋に置くのかわかるようにする」(20代男性)といったアドバイスが寄せられた。