AlbaLinkは10月16日、「マンション・アパートのゴミ置き場のトラブルに関する意識調査」の結果を発表した。調査は2024年8月31日~9月4日、マンション・アパートに住む498人を対象にインターネットで行われた。

ゴミ置き場のルールが守られているマンション・アパートは71.5%

  • ゴミ置き場のルールが守られているか

「お住まいのマンション・アパートではゴミ置き場のルールが守られていますか」と聞いたところ、「守られている」「まあ守られている」と答えた人は71.5%にのぼった。多くの集合住宅では、ルールを守って暮らしている人が多いとわかった。

ただし詳しい回答を見ていると、「ゴミ捨てルールは守られている」と答えた人の中にも、ゴミ置き場のトラブルを経験した人は多くいた。例えば「カラスにゴミを荒らされる」「マンションの住人以外が不法投棄するのを目撃した」などは、マンション・アパートの住人がルールを守っていても、発生してしまうトラブル。また管理会社・管理組合による注意喚起や監視カメラの設置でトラブルが減った例もあり、「過去にはルール違反があったけれど、今はない」というマンション・アパートもあるようだ。

ゴミ置き場で発生するトラブル1位は「指定日以外のゴミ出し」

  • マンション・アパートのゴミ置き場のトラブル

ゴミ置き場で発生するトラブルの圧倒的1位は「指定日時以外のゴミ出し(212人)」、2位の「ゴミが分別されていない(168人)」も多くの票を集めた。3位は「動物に荒らされる(50人)」となっている。

上位の「指定日時以外のゴミ出し」「分別できていない」「動物に荒らされる」などは、マンションやアパート以外でもよく発生するトラブル。一方マンション・アパートならではのトラブルとしては、「住人専用のゴミ置き場なのに、住人以外が捨てに来る」などが挙げられる。

回答を詳しくみていくと、1位「指定日時以外のゴミ出し」には、「指定日の1日前からゴミが置かれていることもあります」(10代男性)、「指定日以外にゴミを出す人が多いので、ゴミが腐って臭いがする」(40代女性)といった声が寄せられた。指定日以外に生ゴミを出してしまうと、時間とともに臭いがきつくなり周囲の人が困ることも。「前日からゴミを出す人がいるので、汚い」などの声もあった。また、ゴミを捨てていい時間帯が決められているマンション・アパートで、時間を守らない人もいるようだ。ただ時間に関しては「時間を守っていない人はいるが、指定日は守っているので大きなトラブルにはならない」という声もあった。

2位「ゴミが分別されていない」を選んだ人からは、「分別はかなりずさん。ペットボトルと生ゴミがまとめられていることもある」(30代女性)、「分別を間違えていて、回収業者が持っていってくれなくて、残っている」(40代女性)といった回答が寄せられている。故意なのか分別ミス・認識不足なのかは不明だが、ゴミが回収されずに残ってしまい、周りが困ることも多いとわかった。

3位「動物に荒らされる」には、「ゴミを出したあとにカラスや猫に荒らされて、家の前がぐちゃぐちゃになることがある」(20代女性)、「住人同士のトラブルはないが、カラスがよく集まるので対処が難しい」(30代男性)といった回答が寄せられた。「ネットをかけていても、カラスがネットの中まで入り込んで荒らす」という声もあり、対応に苦慮している様子が伺える。「ネットのかけ方が悪い」「ネットをかける前に出してしまう人がいる」など、ゴミの出し方に問題があるパターンもあるようだ。

他にも、「粗大ゴミ処理券を貼らずに粗大ゴミを出す」(30代男性)、「汁物がゴミ袋から漏れて、ゴミ置き場が臭う」(40代女性)、「ゴミ箱が溢れているのにつめこみ、結果的にゴミが散乱する」(20代男性)、「乱雑に置かれている」(20代男性)、「マンション専用と決められているが、他マンションの住人や一戸建て住まいの人がゴミを捨てていた」(20代女性)といった声が集まった。

ゴミ置き場のトラブルに対して取られている対策は「ルールの周知・注意喚起」

  • ゴミ置き場のトラブルに対して取られている対策

「ゴミ置き場で発生するトラブルに対し、現在実施されている対策」を聞いたところ、ダントツは「ルールの周知・注意喚起(228人)」だった。ただ「何度が注意喚起のお知らせはあったが、あまり改善していない」など、効果については疑問の声もあった。

また2位「何もされていない(110人)」も全体の2割以上を占めている。以下3位「管理人が再分別・掃除(93人)」、4位「清掃業者が再分別・掃除(31人)」と続く。

注意喚起、再分別、清掃など、管理会社や業者が対応しているマンション・アパートが多いとわかる。「ずっと注意喚起はされていて、最近監視カメラもついた」というコメントもあり、段階を踏んで対応している管理会社や大家もいると推測できる。

また「注意喚起と、管理人による清掃や再分別が行われている」など、複数の施策がとられているマンション・アパートも多くなった。

ゴミ置き場のマナー違反を見かけても「何もしない」が51.4%

  • ゴミ置き場のマナー違反を見かけたらどうするか

「ゴミ置き場のマナー違反を見かけたらどうするか」という問いには、「何もしない」と回答した人が51.4%と半数以上にのぼった。次に多かったのは「管理人・管理会社に連絡する(38.0%)」だった。

直接注意すると住人同士のトラブルになる可能性もあることから、「何もしない」「管理会社に対応をお願いする」と答えた人が多くなっている。トラブルになるのが嫌なので、自分でできる範囲なら人のゴミでも掃除したり片付けたりする人も。また「知っている人だったらやんわり声をかける」など、相手によって対応を変える人もいた。

ゴミ置き場のトラブルをなくす方法は「ルール周知・注意喚起」

  • ゴミ置き場のトラブルをなくす方法

「ゴミ置き場のトラブルをなくすにはどうすればいいと思うか」と聞いたところ、最も多かった回答は「ルール周知・注意喚起(239人)」だった。2位「監視カメラの設置(134人)」も100票以上と、多くの票を集めた。3位「住人のモラル向上(90人)」、4位「ゴミ置き場の清掃(33人)」が続く。「監視カメラの設置」「ゴミ置き場のリニューアル」などハード面の整備も挙げられたが、全体的には「注意喚起」「モラル」「コミュニケーション」などソフト面での対応に期待する人が多くなっている。

詳しく回答を見ていくと、1位「ルール周知・注意喚起」を選んだ人からは、「ルールの周知。外国籍の住人も多くて『正確にルールが伝達されていないのでは?』と感じているので、契約時にルールの説明を徹底してほしい」(30代女性)、「ルールを周知し、ゴミ出しマナーの悪い人がいる場合、お知らせなどを掲示板に貼って注意喚起する」(40代男性)などの意見が寄せられた。ルール周知・注意喚起については効果を疑問視する声もあったものの、対策の基本と考えている人が多いと伺える。日本語が苦手な外国人に向けて、丁寧な周知を求めた人もいた。ゴミ捨て場に「曜日ごとに出していいゴミの種類」を貼りだしておくとわかりやすい、というアイデアも寄せられている。

2位「監視カメラの設置」には、「見られている意識があれば改善されると思います」(20代女性)と、抑止力に期待する声が寄せられた。抑止力を重視している人の中には、監視カメラはダミーでもいいという意見もあった。一方、すでに監視カメラはあるが改善していないという声も。抑止力に期待するなら、監視カメラがあることを周知するのも重要だと考えられる。「また、カメラを設置して違反者がわかるようにする」(40代男性)など、ルール違反をしている住人の特定や、侵入者・ゴミ持ち去りの監視に使うという意見もあった。

3位「住人のモラル向上」を選んだ人からは、「ひとりひとりの心がけだと思います」(30代男性)、「住んでいる人の暮らし方だと思う」(60代以上 女性)との意見が寄せられた。「注意喚起の貼り紙がなくても、違反はない」というマンション・アパートに住んでいる人もいる。一方でモラルが低ければ、注意喚起されたり監視カメラがあったりしても「ルールを守ろう」と思えないので、十分な効果が期待できない。他人の考え方を変えるのはなかなか難しいので、「そもそも住人のモラルが高そうな物件を選ぶしかない」という意見もあった。

その他、「ゴミステーションの清潔度を上げる」(40代女性)、「パスワードや鍵などを設置して、住民以外が使用できないように徹底する」(20代女性)、「ゴミ置き場を広くして出しやすくする」(30代男性)、「ゴミを決められた通りに出さなければペナルティ」(30代女性)などの意見が寄せられた。「モラルのない入居者を突き止め、退去してもらう」(40代男性)という意見もあったが、過去の判例などを見ると、ゴミ捨てのマナー違反だけで強制退去させるのは難しいと考えられる。