大幸薬品は10月16日、「お腹トラブルに関する調査」の結果を発表した。調査は2024年8月6日~8月8日、全国の16~69歳の男女2350名を対象にインターネットで行われた。
日ごろからお腹のトラブルに悩む人は全国で約6割
日ごろからお腹のトラブル(下痢・軟便)に悩まされていますか、という質問に対し、「よくある(11.4%)」、「たまにある(46.0%)」と、合わせて57.4%の人が"ある"と回答した。
また、下痢で困ったエピソードや・嫌な思い出について聞いたところ、「おならかと思ったら下痢で出てしまったことがある」(千葉県/37歳女性)、「家の鍵が開いてなくて庭に穴を掘ってした」(広島県/17歳女性)、「来客時に静かな家で、トイレの音が響いてしまった」(山梨県/59歳女性)、「大事な資格試験中に下痢になり途中退席することになった」(長野県/52歳男性)、「交通渋滞中、急な下痢で車でトイレを探すが、なかなか見つからず、近くの家(知らない人)を貸してもらった」(栃木県/64歳男性)、「デート中に一度だけどうしようもないほどお腹が痛くなって嘘をついて早めに帰った」(京都府/50歳女性)など、さまざまな声が集まった。
「突然の便意で困った」経験のある人は全体の7割以上、最も多かった都道府県は東京都
突然の便意に関する質問では、合計72.2%の人が困ったことが"ある"と回答した。
都道府県別にみると、同率が多い中、1位は単独で「東京都」という結果だった。また、地域別にみると、首都圏1都3県の平均は81.5%と、平均より10%近く高く、「東京都」、「千葉県」、「埼玉県」、「神奈川県」の1都3県は、他の地域よりも突然の便意に困ったことが"ある"人が多い傾向があるとわかった。また反対に、一番困った経験が少ないといえるのは、「和歌山県」、「熊本県」だった。
なお、突然の便意で困ったことのある人の最も多いシチュエーションは、「トイレが近くにない場所(外等)にいるとき(39.0%)」だった。2位から4位までの結果から、"移動時"に多いことがわかった。特に、「電車などの交通機関に乗車中(18.5%)」を選択した人を都道府県別にみると、トップ5に「東京都」・「埼玉県」・「神奈川県」・「千葉県」の、1都3県がすべて含まれている。1都3県の平均は36.5%で、全体平均の18.5%を大きく上回る結果となった。
下痢の対処のため普段から心がけていることは?
下痢の対処のために普段から心がけていることについて質問したところ、「特に心掛けていることはない」と回答した人は36.6%だった。つまり、その他6割以上は"普段から心がけている"ということがわかった。実際に心がけている内容としては、1位「体を冷やさないようにする(23.8%)」、2位「規則正しい生活習慣をする(19.1%)」、3位「トイレの位置を把握しておく(17.7%)」という結果となった。他、一風変わった回答としては、「素数を数える」「片栗粉を水に溶いて飲む」という独自の方法を取る人もいた。日ごろからお腹のトラブルに悩む人は約6割、突然の便意で困ったことがある人は7割以上いるにも関わらず、対処方法として、即効性のある対策はあまり取られていないことがわかった。
都道府県別にみると、普段から心がけていることが"ある"人が一番多かったのが同率(76.0%)で「埼玉県」・「奈良県」、一番少なかったのが「岡山県(44.0%)」と、1位と最下位で30%以上の差があった。突然の便意で困った経験の割合に差があるのと同様に、普段から心がける意識も、都道府県によって大きな差があることが明らかになった。
また、普段から心がけていること1位の「体を冷やさないようにする」を都道府県別にみると、上位は中部・近畿地方に多く見られることが分かった。反対に、北日本に位置する「北海道」や「青森県」・「秋田県」は、平均程度かそれ以下となり、「体を冷やさないようにする」意識は他県に比べそれほど高くないことが分かった。この地域の人にとって「寒さ」は日常生活の一部であり、「体を冷やさないようにする」ことは、あえて心がけることでもないのかもしれない。このように、生活スタイルや住環境の違いによって、意識が異なることも推察できる。
さらに、普段から心がけていることの中で、「トイレの位置を把握しておく」と回答した人の都道府県別トップ10を見ると、1位「香川県」、4位「三重県」、5位「長野県」など、通勤・通学時に公共交通機関を利用するであろう、都市部以外の地域も上位を占める結果となった。一方、「東京都」・「神奈川県」・「千葉県」・「埼玉県」の1都3県も、すべてランクインしている。地域別だと、全体平均の17.7%に対し、1都3県は26.0%と、10%近く上回る結果となった。
加えて、「下痢に対するあなたならではの対処法」について聞いたところ、「出かける前に三回くらいは必ずトイレに行く」や、「朝、家を出る前に出しきる」など外出前に対処する人や、「下痢になりそうな時は極力外出を避ける」と外出すること自体を断念する人、また「大丈夫と思いこませる」というように自分自身に信じ込ませる人など、人それぞれ、様々な対処をしているようだ。
下痢に最もなりたくない場面は1位「長距離の移動中」
下痢になりたくない場面について質問したところ、1位「長距離の移動中(高速バス、新幹線、飛行機など)(49.1%)」、2位「しばらくトイレがない道路を運転している時(48.9%)」、3位「渋滞中(45.4%)」と、突然の便意で困ったとき同様、"移動時"が多い結果となった。
1位の「長距離の移動中」を都道府県別にみると、1位「神奈川県(66.0%)」、2位「岩手県(64.0%)」、3位「福井県(62.0%)だった。また、地域別では、突然の便意で困ったときに続き、1都3県が高い傾向となり、平均57.5%と、全国平均49.1%を上回った。
普段から「下痢止め」を持ち歩いている人は約2割
お腹のトラブルに対して症状を抑える効果のある「下痢止め」(市販薬)の所持について質問したところ、普段から持ち歩いている人は全体の約2割だった。都道府県別にみると、1位は「栃木県(34.0%)」で、最も多い県でも3割程度にとどまる結果となった。また、最も少ないのは、10.0%で、「高知県」・「茨城県」だった。
また、お腹のトラブルの市販薬に求めることについて質問をしたところ、1位「すぐに腹痛・下痢が止まること(38.9%)」、2位「価格が手頃であること(29.5%)」、3位「水なしでも飲めること(28.1%)」という結果になった。その他、4位に「長時間効果があること(20.3%)」、5位に「持ち運びがしやすいこと(15.4%)」がランクインしており、症状に対して早く・長く効果があること、気軽に買える、手軽に飲める、持ち運びしやすい、ということが求められていることが分かった。