俳優の内野聖陽が主演ドラマ『ゴールドサンセット』(毎週日曜 22ː00~ 全6話 WOWOWプライム/WOWOWオンデマンド※第1話は無料放送)が、2025年にWOWOWで放送・配信されることが21日、明らかになった。
本作は白尾悠による同名小説の映像化で、内野演じる謎の男をはじめ、心に傷を抱えた人々が、人生を見つめ直す感涙のヒューマンドラマ。内野が演じるのは古いアパートに住む謎の老人・阿久津勇。1人大声を上げたり、どこかおかしな振る舞いで隣人の女子中学生にも不審がられる始末だが、次第にその振る舞いの理由と彼の過去が明らかになっていく。
一方、阿久津が出会う心に傷を負った女子中学生、彼女が出会う人生崖っぷちの中年女性に始まり、過去の職場でのトラウマを抱える女性、大切な人に優しい嘘をつき続ける青年と、どこかに生きづらさを抱える人々がやがて不思議な糸に操られ、劇団「トーラスシアター」との出合いを通して1つの物語に結び付けられていく。
脚本&監督は大森寿美男。これまで映画『黒い家』(1999年)、NHK大河ドラマ『風林火山』(2007年)、NHKの特集ドラマ『どこにもない国』(2017年)と、内野聖陽主演作品の脚本を担当してきた。各時代で秀作を残してきた内野聖陽と大森寿美男の注目タッグに期待したい。
■内野聖陽コメント
これは、シニア世代の煌めくような瞬間がオムニバスのようになった作品です。僕に課された役は、若い頃に犯した過ちから、まさに地獄の淵から這い上がろうとしているような男。シェイクスピアの『リア王』に自分の人生を重ね合わせ、シニア劇団で演じることで、人生の許しを乞おうとしています。非常にタフな精神のいる役だなと感じました。そして、演劇一本を立ち上げるパワーが必要な作品で、なんという挑戦的な話だろうと思いました。
人生を一度諦めているような人物で、リアを演じることでしか、外界と接点を持てなくなっているような役なので、生きたいという思いを心に秘めて、人と交わらない緊張感が大変でした。自分は生きることを許されていないと自認している男で、リアを演じ切ることで、贖罪を果たそうとしている。こういう野心作は初めてで、なかなか大変でしたね。しかし、本当の演劇のように稽古を日々重ねてくださったので、シニア劇団が本当に自分のコミュニティーのように感じられるところまでなれたのはうれしかったですね。
原作はありますが、シナリオ化が大森さんなので、いろんなシーンの要求がはっきりしている反面、とても深いイメージに基づいて演出されるので、理想が高く、期待に応えられたかどうか。でも感動的なシーンは沢山あります。普通のプロが毎晩演じる公演というより、役者をやめた人間が一夜限りで演じる一世一代のもので、なおかつそれが、自分の罪の贖罪になっていく、そこが難しかったところですね。
さまざまなシニア世代の生き直し、再生していこうという思いが、時に切なく美しい話だと思います。また、演劇というものの効用が改めて問い直されてもいいと思えるような話だとも思います。