女優の山下美月が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00~ ※関東ローカル)のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、13日・20日の2週にわたり放送される『東京キッチンカー物語~25歳 夢を乗せた行き先~』。キッチンカーでの成功を夢見る2人の25歳を追った作品だ。
彼らと同い年の山下も今年、乃木坂46を卒業して新たなスタートを切っただけに、共感する点があった様子。「責任を持たなきゃ」と“大勝負”の決断を経ての心境を語る――。
食材を余らせる日々…開業3カ月で大きな決断
街角で当たり前のように見かけるようになったキッチンカー。車両を貸し出す企業も現れ、初期費用を低く抑えて手軽に開業できることから、キッチンカーを始める若者が増えているという。しかし、人が集まる立地の良い出店場所は、都内でもほんの一握りという厳しい世界だ。
交際相手の亡き母から教わった「おかゆ」で勝負に出た愛香さん(25)。オープン当初は女性を中心に人が集まったものの客足は遠のくばかり。猛暑の中、熱いおかゆではやっていけないと「かき氷」をメニューに追加するも、1日の売り上げが1万円にも届かない。「このままではやっていけない」と、愛香さんはある場所に向かう。
母のオリジナルレシピ「タマネギカツレツ」で開業した康法さん(25)は、好条件の出店場所を確保するのに奮闘していた。仲介業者にお金を支払い、良い場所を確保するのが“常識”の中で「仲介業者には頼りたくない」と自分の足で出店場所を探していた。開業から1カ月が過ぎ、ようやくイベント会場での出店にこぎ着け、初めて行列を作ったものの、その後は食材を余らせる日々が続く。開業から3カ月、何とか常連客が付き始めた時、康法さんは大きな決断を下す。
「不安で一晩寝られないことって、今までなかった」の気持ちが分かる
今年5月に乃木坂46を卒業し、新たなスタートを切った山下。「グループにいた時は、基本的に全体で動くことも多いので、スケジュールはマネージャーさんや事務所に頂いていたのですが、今はどのお仕事をやっていくかというのを、相談しながら決めさせていただくことが多くなってきたんです。グループに甘えて頼っていたことを、在籍していた時にはそこまで気づいていなかったのですが、その枠を出て自分の人生にこんなにもの選択肢があるんだと、すごく感じ始めています。それはワクワク楽しくもありつつ、自分の力でやっていかなきゃという気持ちもあるんです」と気を引き締める。
前編のナレーション第一声は、「人生には、時に大勝負の季節が訪れます」という一節だったが、自身のグループ卒業も「大勝負ですね」と振り返る。
「安定した場所から自ら選んで離れていくということは、自分の中で簡単には決められず、何年も時間をかけて決めた大きな決断でした。それに、卒業すると決めると、卒業ライブを開催してくださったり、シングルでセンターをやらせていただくために曲を作ってくださる方がいたり、いろんな方がいろんなところで自分のために動いてくださるのを目の当たりにしたので、自分の“卒業する”という一言が、こんなにも周囲を変えてしまうんだということに、毎日ドキドキして緊張していました」
それだけに、「愛香さんが“不安で一晩寝られないことって、今までなかった”とおっしゃっていましたが、その気持ちはすごく分かります。明日がくるのが楽しみでもあり、怖いという感覚なんです」と共感した。
共感する部分は、「25歳」という年齢でも。「まだまだ若いし…と思っていたところもあったのですが、周りが結婚し始めたり、子どもを持つ友人も出てきて、“ちゃんと大人なんだ”と実感し始めてきたんです。今回の映像で、おふたりが一つ一つ決断していくのを見て、責任を持たなきゃいけないという点では同じなんだなと思いました」と自分事として捉えた。