JR西日本は17日、車両状態を常時監視・把握し、必要なときにメンテナンスを行う「モニタリング保全」を実施するため、人の手を介さず車両状態を把握・判定する4つのシステム「MiyoCca(見よっか)」を導入したと発表した。

  • 「モニタ状態監視システム」を搭載した323系

同社車両部門では、決められた時期・内容で実施する検査に加え、車両状態を常時監視・把握して必要なときにメンテナンスを行う「モニタリング保全」というCBM(Condition Based Maintenance)のしくみを取り入れることで、安全性・生産性の向上をめざしている。

この「モニタリング保全」を実現するために導入する、人の手を介さずに車両状態を把握・判定する4つのシステム「モニタ状態監視システム」「状態判定システム」「車両状態監視装置(地上)」「屋根上画像診断システム」を「MiyoCca(Multi innovative monitoring systems for our CBM to continue advance)」と総称している。

  • 「モニタ状態監視システム」のモニタ画面

  • 「モニタ状態監視システム」開始後(モニタ画面を確認している様子)

  • 人によるブレーキ試験の様子

「モニタ状態監視システム」は、車両・機器のデータ取得や蓄積を行い、故障発生時の運転台の画面を遠隔でリアルタイムに確認可能。「状態判定システム」は2024年10月に新規導入され、モニタ状態監視システムのデータをもとに、クラウド上に構築した状態判定システムのアプリを使用し、車両の機能を自動で判定するしくみとなっている。例として、車両の空気圧に関するデータを状態判定システムで判定し、ブレーキ機能の検査を行うことが可能。これまで90日以内に1回行っていた検査が毎日行えるようになり、車両品質が一層向上するという。

「車両状態監視装置(地上)」は、パンタグラフなど車両の屋根上機器や車輪状態を自動で測定・記録する。この装置が取得したデータから屋根上機器の状態を自動で判定する「屋根上画像診断システム」を現在開発している。