星野リゾートは2028年、米国本土で初の運営施設となる温泉旅館を開業する。

  • Sharon Springs 視察(星野リゾート代表 星野佳路氏)

開業の背景

「日本のホテル業界は1980年代に北米進出に挑戦したが、必ずしも成功とは言えない結果に終わった。その教訓から学び、再び挑戦する機会を得るために、同社は長い期間をかけて準備を進めてきた」と同社。今、財務体力の面でもホテル経営の仕組みの面でも準備が整ったと考え、2028年に北米に温泉旅館を開業するという。

1980年代からの最大の教訓は、日本のホテル会社が米国に進出する時には、日本文化を反映したコンセプトが期待されるということなのだそう。「日本から料理人が来た時には日本料理でなければ市場は素直に受け止めてくれないように、日本からホテル会社が来た時には温泉旅館でなければ、市場の心をとらえる難易度が高くなるということ」(同社)。

開業場所はニューヨーク州のSharon Springs

開業場所は、米国・ニューヨーク州にある「Sharon Springs(シャロンスプリングス)」。マンハッタンから車で約3.5時間の歴史ある温泉地に米国初の本格的な温泉旅館を開業する。

古くはアメリカ先住民が治癒効果を求めて鉱泉を利用しており、1800年代中盤にはリゾート地として開発されるようになったが、1900年代に入り飛行機での旅行が盛んになってくる中で、Sharon Springsは観光地として衰退していったのだという。

「活気を失って久しくなる温泉地で、地元の方々の協力とサポートを得ながら温泉旅館を開業し、地域の活性化に貢献していくことは、星野リゾートらしい北米事業のスタートであると考えています」と同社はコメントしている。

  • Sharon Springs 視察

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