電話が嫌いな人にとって、業務中の電話対応は大きなストレス。特に若い世代は、電話が嫌いなあまり退職を選ぶ人が出てくるほど、苦手意識を持っている人が増えてきています。
電話が嫌いなのはなぜなのか? どうやったら克服できるのか? 詳しく解説していきます。
電話が嫌いな理由とは?
特に若者の間では、電話でのコミュニケーションに対する抵抗感が強いようです。プライベートでも知らない相手からの電話には出ないなど、電話対応を避ける傾向があります。なぜそこまで電話対応が嫌いなのかを考えていきましょう。
自分の時間を奪われるのが苦痛
「何日の何時ごろにかける」という約束を取り付けていない限り、電話はいつかかってくるかわかりません。LINEなどのメッセージやメールなどとは異なり、電話は即座に応答が求められます。思わぬタイミングでかかってくると、自分の時間が奪われることになりストレスを感じてしまいます。
仕事においては、現在行っている業務を中断して対応する必要があり、集中力が途切れて効率が悪いと煩わしく感じるようです。
顔色が見えないため話しにくい
電話では相手の表情やボディランゲージが見えないため、意思疎通が難しいと感じるようです。このため「相手が怒っているのでは?」と必要以上に不安になったり、「自分の話をきちんと理解してくれているのだろうか?」と自信がなくなったりしがちです。
返事を考える時間がない
電話では相手の話に対して即座に反応を求められることが多く、返答を考える時間が十分にありません。パッと言葉が出ずに焦ってしまい、きちんとした返事ができなかったことで自信をなくしたり、誤解を招いていないかと不安になったりしてしまいます。
電話でのマナーがわからない
正しい言葉遣いや相手に失礼にならないような対応ができているのかなど、電話でのマナーの自信のなさから電話が苦手と思う人も多いようです。特に仕事では業務の確認に加え、言葉遣いや声のトーン、レスポンスの速さなどにも意識する必要があり、失敗を恐れて電話を取るのをためらってしまう人も少なくありません。
相手が不在だった場合が面倒
電話をかけても相手が不在の場合、再度かけ直さなければならないことがあります。一度でつながればいいですが、入れ違いなどで再度不在になるケースもあり、何度も電話をかけなければならない事態も出てきます。「メールだと1回で済むのに……」と効率が悪いと感じることから、電話を敬遠してしまうというケースもあります。
周囲に会話を聞かれているのが嫌
通話中の会話を周囲に聞かれることに抵抗を感じる人も多くいます。「上司や先輩に対応を一言一句聞かれているのではないか?」「正しい電話対応ができていないと怒られるのではないか?」という理由から、電話を取ることをためらってしまう若手社員も多いようです。
取り次ぎが面倒
自分宛ではない電話を取った場合、担当者が不在だと取り次ぐために相手の氏名や会社名、連絡先や要件など、記録をしなくてはならない項目が多いですよね。口頭で多くの情報を聞き出してメモをしなくてはならず、しかも間違えてはならないということで、プレッシャーを感じたり面倒だと思ったりしてしまうのは、仕方ないのかもしれません。
電話嫌いが増えている背景とは?
現代社会では、電話を嫌う人が増えてきています。どのような社会背景があるのでしょうか。
SNSでのコミュニケーションの増加
電話嫌いが増えているのには、さまざまな理由がありますが、特に若者を中心にコミュニケーションの手段が多様化したことが大きく影響しているでしょう。現代は、SNSの普及によってテキストを通じたコミュニケーションが主流となっていますよね。時間を問わず対応できる手軽さから、SNSを通してテキストでのコミュニケーションを選ぶ人が増えています。
自分の時間を優先できる、返事をじっくりと考えることもできるというテキストでのメリットを便利だと考えるからこそ、それができない電話に対して苦手意識を持つ傾向が強くなっているのかもしれません。
家庭でも電話を受ける習慣が減っている
かつては各家庭に固定電話があり、一つの電話を家族で共有するのが一般的でした。また、主要な連絡手段も電話であり、電話対応は日常的なものでした。しかし、現在は個々人がスマートフォンを持ち、個人間での直接連絡が一般的です。
かつては家にかかってきた電話を取り、親や兄弟などに取り次いだり、友人の家に電話をかけ、相手の親から友達に取り次いでもらったりと、自然と電話対応 の訓練ができていました。固定電話がなくなり、各個人が持つスマートフォンへ連絡することが主流になったため、電話対応の仕方がわからず、苦手意識を持つ人が増えていったと考えられます。
電話嫌いを克服するには?
苦手意識を持つあまり、電話を避けていれば、業務に支障をきたしかねません。電話嫌いを克服するためにはどうすればいいのでしょうか。
電話ならではのメリットを再確認しながら、具体的な対応策を考えていきましょう。
電話ならではのメリットを考える
電話は、直接的なコミュニケーションが取れるため、相手の声色やニュアンスから感情を読み取りやすいというメリットがあります。また、メールだけでは難しい人間関係の構築が電話では可能になることも。やはり相手の声を知るだけで親しみやすさを感じるものです。
苦手意識を持つ人は、こうした利点を理解し、活用することを考えてみましょう。
会話のテンプレートを用意する
電話での会話が苦手な場合、あらかじめ話す内容や質問をテンプレートとして準備しておくと安心です。電話を取った時の第一声や切る時の挨拶など、毎回使うフレーズは何度も練習するといいでしょう。
電話対応が上手な人を真似してみるのもおすすめです。先輩や上司などがどのように電話対応をしているかを聞いて参考にしてみましょう。
メモを取りながら話す
電話中にメモを取ることは、話の流れを把握しやすくし、重要な情報を逃さないための有効な方法です。相手の話をしっかりと理解し、重要なポイントを残すことで、対応にミスが少なくなります。先方からの要件だけでなく、自分がどう回答したかもメモしておくと、後の確認の際にも便利です。
メモについても、「いつ・誰から・どのような要件で」など、ヒアリングすべき内容を記載した専用のメモを作っておくと、確認漏れがなくなります。メモを残す習慣をつけることは、電話嫌いを克服する有効なテクニックです。
回数を重ねて慣れる
何事も反復練習が必要です。電話に苦手意識を持っているからこそ、意識的に回数を重ねて電話対応をしてみましょう。少しずつ経験を積むことで自信がつき、自然と抵抗感がなくなっていきます。先輩へ電話をかけてロールプレイング形式で練習するのもいいでしょう。最初は難しく感じるかもしれませんが、何度も繰り返すことで次第に慣れてくるはず。
電話嫌いを克服してストレスとさよなら
SNSなどの普及でコミュニケーション方法が多様化していますが、電話が必要なシーンもまだまだ多くあります。特に仕事においては、必要不可欠なスキルと言っても過言ではありません。だからこそ、電話嫌いを克服することが求められます。
必要な対策をとり、少しずつ電話対応に慣れていけば、仕事はもちろんプライベートでのコミュニケーションもより円滑になることは間違いありません。電話嫌いを克服して、ストレスから解放されましょう。