日本産ホップを使ったクラフトビールを楽しむお祭り「クラフトビール ジャパンホップフェスト2024」のメインイベントが10月19日と20日、渋谷区代官山のSVB東京にて開催される。同店舗では、これと並行して「SVBジャパンホップフェア」も開催中。スプリングバレーブルワリー(以下SVB)の井本亜香社長は「ホップの品種、産地、使い方が変わると、クラフトビールの味わいは多様に変化します。是非、この機会に飲み比べてもらえたら」とアピールする。

  • 代官山で「クラフトビール ジャパンホップフェスト2024」のメインイベントが開催

■クラフトビールの祭典

「クラフトビール ジャパンホップフェスト2024」は、ホップ生産者、醸造家、ビールファンが一堂に会して交流できる催しで、9月1日から11月30日まで約3カ月間にわたって開催されている。そのメインイベントがSVB東京にて10月19日と20日に実施される。

  • SVB東京(東京都渋谷区代官山町13-1 ログロード代官山内)。今年の5月30日にリニューアルオープンした

イベントは、今年収穫したフレッシュホップを使用して醸造したビールだけでなく、年間を通して日本産ホップにこだわって醸造しているビールも楽しめる趣向。DAY1(10月19日)、DAY2(10月20日)ともに時間制となっている。1階のフリー席は事前予約と当日販売に対応。料金は3,500円で、ビール240mlもしくはフードと交換できるチケットが7枚付いてくる。2階は予約席で、事前予約のみ受け付けている。料金は4,500円で、ビール240mlもしくはフードと交換できるチケット7枚とお土産が付く。詳細は事前予約サイトを参照のこと。

  • ビールと料理のイメージ

イベント当日は、参加するブルワリーの熱いトークショーが繰り広げられる。関係者は「日本産ホップを使用したビールの美味しさを知っていただくことで、日本産ホップの魅力化を図り、国内のホップ産業を盛り上げていければ」と話す。

  • 様々な方向から、日本産ホップの魅力に触れることができるイベントになっている

■SVBジャパンホップフェア

SVBでは上記イベントの期間に合わせ、直営店でも日本産ホップビールの魅力を訴求していく。SVB東京およびSVB京都では10月1日から11月24日まで「SVBジャパンホップフェア」を開催中。日本産ホップを使用した『SPRING VALLEY JAPAN ALE <香>』『SPRING VALLEY 豊潤 <496>』や、日本全国のブルワリーが薦めるビールをセットにした飲み比ベを提供している。

  • 6種類(各100ml)のクラフトビールを試飲できる「BEER FLIGHT」(飲み比べセット、2,000円)が人気

また直営店限定品として10月18日より、SVB東京では日本産ホップIBUKIを使って醸造した『フレッシュホップ~最優秀圃場IBUKI~』(350ml、1,150円)、日本産ホップMURAKAMI SEVENを使って醸造した『SVB LAGER~フレッシュホップMURAKAMI SEVEN~』(350ml、1,150円)の2種を同時発売。SVB京都では、京都府与謝野町産IBUKIを使って醸造した『フレッシュホップ~与謝野の息吹~』(350ml、1,150円)を発売する。

  • この機会に『SVB LAGER~フレッシュホップMURAKAMI SEVEN~』(写真中央、SVB東京限定)などを楽しみたい

SVBジャパンホップフェアでは、ビールと相性の良い特別フードメニューも限定販売される。注目は、今年初めてフードメニューで採用した「ホップ豚」。ゲストタップとしてイベントに参加する岩手県遠野市の遠野麦酒ZUMONAが手がけたもので、日本産ホップを使用したビールの醸造工程で出る”仕込み粕”を食べて育った豚を使ったアレンジメニューだという。

  • SVB東京限定の『遠野ホップ豚のボルケッタ ホップ塩添え』(2,100円)

  • SVB東京限定の『ホップソーセージ ジャーマンポテトスタイル』(850円)

■人生の楽しみが広がるクラフトビール

キリンビール クラフトビール事業部長の大谷哲司氏は、同社のこれまでの歩みを紹介。「2014年にヤッホーブルーイングと資本業務提携し、2015年にSVB東京をオープンさせ、2016年にブルックリン・ブルワリーと資本業務提携しました。2017年にはタップマルシェ事業をスタートさせ、2021年には『SPRING VALLEY 豊潤 <496>』を発売しています」と振り返る。

  • キリンビールのクラフトビール事業の取り組み。2021年より家庭に向けたサードステップの段階に入った

そして「現在、クラフトビールを飲んでいるお客様は1,300万人ほど。しかし飲んだことはないけれど興味はある、という”興味層”は1,800万人ほどいらっしゃいます。まだまだ大きなポテンシャルが残されています」と大谷氏。そこで同事業部としては、クラフトビールについて「造り手たちの創造性が生む多様なおいしさで、人生の楽しみが広がるビール」として訴求していく考え。2030年には、クラフトビール市場のビール類内市場構成比を5%以上(金額ベース)にしていきたい、と意気込む。

  • キリンビールの提案するクラフトビールの魅力

「自社ブランドの成長はマストですが、ホップ農家さんの支援、ブルワリーの支援、お客様に楽しんで飲んでいただく、このトライアングルを回していくことがクラフトビールのカテゴリ全体の成長につながると考えています。今後も、様々なチャレンジを続けながら事業を推進していきます」(大谷氏)

  • キリンビール クラフトビール事業部長の大谷哲司氏(左)と、スプリングバレーブルワリー 代表取締役社長の井本亜香氏(右)

SVBの井本社長は、リニューアルしたSVB東京店について「新規のお客様に来ていただく機会を創出できました」と報告する。リニューアルオープンした5月30日から9月末までの来場者数は3万2,650人で、1人あたりの注文杯数は1.87杯に上昇。来店者からは「店内が綺麗で雰囲気も良い」「居心地が良い空間」「色々なビールと食事のペアリングが楽しかった」という声が寄せられているという。

  • SVB東京店のリニューアル後の状況

キリンとSVBは日本産ホップ推進委員と協働して、今後も日本産ホップの魅力化に努めていく。「キリンでは全国のホップ生産者への情報提供、ビール醸造家への技術支援、お客様に向けて飲用体験を創出する、といった活動を支援してきました。SVBも1賛同ブルワリーとして、日本産ホップを使用したビールの拡大に取り組んでいきます」と井本社長。

クラフトビール ジャパンホップフェスト2024のメインイベントとして10月19日と20日には、17ブルワリーの20種類の日本産ホップを使用したクラフトビールを提供する。「北は北海道から南は九州まで、日本各地のブルワリーさんから協力をいただいています」とし、イベントの盛り上がりに期待を寄せた。

  • クラフトビール ジャパンホップフェスト2024にて10月19日と20日に提供するビール

  • SVBジャパンホップフェアにて10月18日に発売するクラフトビール