2024年9月26日から9月29日に幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ 2024」(TGS2024)にて、「Discord(ディスコード)」が「ディスコードポリス」をテーマにブースを出展。一般公開日の28日には同ブースでスペシャルイベント「レジェンダリー・チャレンジ」が開催された。
本イベントは、ディスコードのマスコットキャラ「ワンパス」と一般参加者が格闘ゲーム『ストリートファイター6(スト6)』で戦う対戦会。修行を積んで“最強”になったらしい「レジェンド・ワンパス」くんに勝てば、賞品がもらえる内容だ。
当日は筆者も含めて大勢がブース内ステージ前に集合。レジェンド・ワンパスの正体はまさかの人物だった。
マスコットキャラがプロゲーマーにまさかの勝利!?
ディスコードといえば、ゲーマー御用達のチャットアプリ。さまざまな攻略情報を交換するサーバーを立てたり、ゲーム画面を共有しながら他プレイヤーとコミュニケーションをとったり、ゲームライフを豊かにする機能が充実している。
イベントではそんなディスコードの機能を活かして、対戦画面とプレイヤーをそれぞれアプリ内に映し出してモニターで中継。対戦はブース内の個室で行われた。
本イベントのMCを務めたのは、さまざまな格ゲーイベントの実況解説で引っ張りだこの「ハメコ。」氏。挙手制で参加者を募り、ハメコ。氏のチョイスでレジェンド・ワンパスくんに挑む計3名が選ばれた。対するレジェンド・ワンパスくんは「豪鬼」で迎え撃つようだ。
1人目は海外eスポーツチームAlliance所属のストリーマー、Xiinya氏。使用キャラとして選択したのは9月24日に配信されたばかりのDLCキャラクター「テリー」だ。『スト6』は初心者らしく、さすがに猛者のレジェンド・ワンパスくんには敵わなかった。
2人目の挑戦者、なくる氏は『ストリートファイターⅡ』から格ゲーをプレイしてきたという古参プレイヤー。使用キャラは「キャミィ」だ。歴に裏付けられたさすがのプレイで、勝負は接戦に。最終ラウンドまで試合はもつれ込んだが、なくる氏が見事に勝利し、会場を沸かせた。
3人目はプロゲーミングチーム所属のEuriece氏だ。キャラクターは「ケン」をチョイス。『スト6』をプレイ済みのEuriece氏に対して、前の試合の敗北を踏まえてか、レジェンド・ワンパスくんの動きも引き締まり、勝者はレジェンド・ワンパスくんとなった。
ここで、ハメコ。氏から打倒ワンパスに駆けつけた強力な助っ人が紹介された。登場したのは、プロゲーミングチーム「Crazy Raccoon」所属のプロゲーマーどぐら氏。これまでのレジェンド・ワンパスくんの戦いっぷりを見ても、どぐら氏は余裕の表情を見せる。さすがプロ、頼もしいぜ!
選んだキャラクターはテリー。「ベガ」を中心に複数の持ちキャラを使いこなすどぐら氏だが、テリーはリリースされたばかりのキャラということもあって、まだ仕上がってはいないはず。どうやら“遊びのテリー”で十分と感じたようだ。
はじまった最終戦。先ほどまでとはうってかわって、素人目にも動きがキレッキレのレジェンド・ワンパスくん操る豪鬼。雲行きが怪しくなり、観客もざわつき始める……。
終わってみれば、格ゲー界隈で“処理”とも表現される、一方的な試合運びでレジェンド・ワンパスくんが勝利。どぐら氏、どうして……。
試合終了後、苦笑しながら登場したどぐら氏。「往年の地上戦と弾撃ち」に阻まれ、予想外に強かったと語った。どうやら試合相手に心当たりがある様子だ。
再び姿を現したレジェンド・ワンパスくん。着ぐるみを脱ぐと……。現れたのは、なんと格ゲー界の伝説的プレイヤー梅原大吾(ウメハラ)氏。会場では、まさかの正体に歓声が上がった。
正体を明かしたウメハラ氏に「ナメたでしょ」と指摘され、どぐら氏は大笑い。実は、どぐら氏を騙すためのドッキリ企画でもあった本イベント。どぐら氏に気付かれないよう、ウメハラ氏はそれまでの試合で極力ボタンを押さないようにプレイするなど、念入りな仕掛けが行われていた。サプライズが成功したウメハラ氏は「ちゃんとナメてきてくれた」とニッコニコだ。
最終戦では「どぐらVSウメハラ」がサプライズで実現した本イベント。ハメコ。氏の実況も加わり、まるでプロリーグを観戦しているかのような見応えだった。
ディスコードは“ゲーセン文化”を疑似体験できるツール
イベント後半では、ハメコ。氏、どぐら氏、ウメハラ氏の3名によるトークセッションが行われた。
ウメハラ氏は、ディスコードを通じたゲーマー同士のコミュニケーションをゲームセンターに例え「会話がないと、ゲームセンター世代としては寂しい。世界中どこにいる人でも会話しながらゲームできるディスコードは、その寂しさを解消する」とコメントした。
どぐら氏も「ゲームセンターでは誰かとしゃべりながら、野次を飛ばしながらゲームするのが当たり前だった。その当時の空気感を疑似体験できる、すごくありがたいツール」と同意する。
ハメコ。氏は、競技シーンからカジュアル大会までさまざまな格ゲーイベントの運営やコーチングで利用されているディスコードの浸透ぶりに触れ、トークはさらに、PlayStation 5本体からディスコードのボイスチャットに直接参加できるようになった直近のアップデートなどに及んだ。
イベントの最後に、ウメハラ氏は遊び始めるまでのハードルが高い格闘ゲームとチャットアプリの親和性についてコメント。「格闘ゲームは初心者に厳しいゲームと言われがちだけど、同じ強さの遊び相手がいると、ストレスなく遊べる。身内でコミュニケーションを取りやすいディスコードを活用しながら、もっと格闘ゲームにも親しんでもらいたい」と語った。
オンラインのプレイ環境がなかった時代、ゲームを一緒に遊ぶには、ゲームができる場所に集まるのが当たり前だった。今はディスコードのようなチャットアプリがある。格闘ゲームをはじめ、さまざまなゲームジャンルの間口を広げるツールとして、仲間との“わいわい感”を楽しめるチャットアプリはこれからも重要な役割を担いそうだ。