MMD研究所は10月10日、2024年9月に実施したMNOのシェア・満足度調査の結果を発表した。ドコモ/au/ソフトバンクのメインブランドの利用は減少傾向で、楽天モバイルが1.6ポイントの増加と好調のようだ。
この調査は同社が毎年2月と9月に実施しているもので、前回調査は2024年2月に実施されている。
メイン利用/サブ利用ともに楽天モバイルが好調
18歳~69歳の男女40,000人のうち、通信契約しているスマートフォンをもっている人のメイン/サブ(利用している人のみ)の通信サービスを聞いた結果が次のグラフだ。
MVNOの利用者分を除くと、メイン利用の通信サービスでは、上位から「docomo」27.3%、「au」15.0%、「SoftBank」10.5%と各キャリアのメインブランドが並ぶ。そして4位は「Y!mobile」10.3%で、ここまでの順位は前回と変わらない。
そして前回調査では5位が「UQ mobile」、6位が「楽天モバイル(MNO)」の順だったが、今回はこの2者の順位が逆転。5位が「楽天モバイル(MNO)」9.3%、6位が「UQ mobile」8.8%という結果になった。7位以降は「ahamo」6.0%、「povo」2.3%、「LINEMO」1.3%の順で、ここもまた前回と同じだ。
メインブランド/サブブランド/オンライン専用ブランドを足したキャリアごとの比率でいうと、NTTドコモが33.3%(前回33.9%)、KDDI(au)が26.1%(前回26.7%)、ソフトバンクが22.1%(前回22.1%)、楽天モバイルが9.3%(前回7.8%)となる。NTTドコモとKDDI(au)が若干シェアを落とし、その分(およびMVNO利用者の減少分)楽天モバイルがシェアを伸ばしている状況だ。全ブランドを合わせたMNO全体の占有率は90.7%で、前回調査から0.3ポイントの増加。
サブ利用においても楽天モバイルは好調。「docomo」22.8%に次ぐ13.3%のシェアを獲得し、前回2位の「au」12.0%を上回った。
過去4回の推移をみると楽天モバイルの直近の好調ぶりがより明らかに
次の表は、直近4回のメイン利用の通信サービスシェアの推移をまとめたのが次の表。この表ではMVNOの利用者を母数から除いているため、各ブランドのシェアは先のグラフとは異なるものとなっている。
「楽天モバイル(MNO)」は前回調査でも0.4ポイントの伸長となっていたものの、今回調査ではその4倍の伸び幅で、この7カ月の好調ぶりがわかる。
楽天モバイルを除く3キャリアのメインブランドを見ると、「docomo」「au」は減少傾向が続いている。これまでそれほど下落が目立たなかった「SoftBank」も、今回は0.5ポイントの下落となった。オンライン専用ブランドの「ahamo」「povo」「LINEMO」は横ばい、サブブランドの「UQ mobile」「Y!mobile」は引き続き微増傾向。ただ、このところ好調だった「UQ mobile」の伸びがここへきて鈍化している感がある。
総合満足度首位はpovo、楽天モバイルもランクアップ
各ブランドの利用者300人ずつを抽出し、それぞれの総合満足度を聞いた結果が次の表。
首位は前回2位の「povo」で、スコアとしては17ポイントアップ。以下、2位「LINEMO」(前回1位)、3位「楽天モバイル(MNO)」(前回5位)と続いており、ここでも楽天モバイルが順位を上げている。
顧客推奨度は各社メインブランドがスコアを改善
次のグラフは、利用しているサービスについて家族や友人に薦めたいかどうかを10点満点でスコア化し、それを集計して算出するNPS(ネット・プロモーター・スコア/顧客推奨度)をまとめたものだ。
前回調査からスコアが改善されているのは「docomo」(9.4ポイント)、「au」(8.3ポイント)、「SoftBank」(2.0ポイント)、「楽天モバイル(MNO)」(4.7ポイント)の4者。オンライン専用ブランド/サブブランドは、「UQ mobile」の7ポイントを最高に、いずれもスコアが減少した。前回調査では「docomo」「au」の2ブランドがスコア減、他はいずれもスコア増となっていたので、今回の調査結果を見るとメインブランドからの流出傾向が底打ちしつつあるのかもしれない。
調査概要
- 調査名:2024年9月MNOのシェア・満足度調査
- 調査期間:2024年9月13日~2月24日
- 有効回答:<予備調査>40,000人 ※人口構成比に合わせてウエイトバックを実施
<本調査>2,700人 ※各サービスの利用者300人ずつ - 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:<予備調査>18歳~69歳の男女 <本調査>MNO利用者
- 設問数 :<予備調査>123問 <本調査>9問