老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、加給年金を長くもらえる人についてです。
◆Q:加給年金を長くもらえる人とは
「家族がいると年金にプラスしてもらえる、加給年金がお得だなということを最近知りました。長くたくさんの加給年金をもらえる人ってどんな人でしょうか?」(40代・女性)
◆A:夫婦の年齢差が大きい「年の差夫婦」の方ほど、長い期間、加給年金額がもらえることになります
加給年金とは、厚生年金保険の加入期間が20年以上ある人が、65歳以降の老齢厚生年金を受けられるようになったとき、配偶者や子どもの生計を維持している場合に加算されるものです。
受け取るための要件として、配偶者は65歳未満であること、子どもは18歳の年度末までにあること(または20歳未満の障害1、2級であること)があります。
また「生計を維持する」必要もあるので、同居していること(別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます)と、加給年金額等対象者の前年の収入が850万円未満であること(または所得が655万5000円未満であること)を満たす必要もあります。
これらの要件から外れてしまうと、加給年金は支給停止となります。
さらに、配偶者が厚生年金保険の被保険者期間が20年以上の老齢厚生年金(退職共済年金)を受け取る権利がある、または障害年金を受けられる場合も、加給年金は支給停止となります。
加給年金を多く受け取ることができる人とは、ズバリいうと「年の差夫婦」です。夫(妻)が65歳になり加給年金額を受け取る要件を満たしたとき、仮に妻(夫)の年齢が63歳だと、加給年金額が加算される期間は2年間ですが、妻(夫)の年齢が50歳の場合は、加給年金額は15年間にわたり、夫(妻)の年金に加算されることになるためです。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
文=All About 編集部