東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『バントマン』(毎週土曜23:40〜)が、きょう12日にスタートする。ドラマの放送を前に、同作で主演を務める鈴木伸之が取材に応じ、自身が演じる役柄やドラマの見どころを語った。
プロ野球選手役に複雑な気持ちも
中日ドラゴンズのホームランバッターとして活躍するも、やがて戦力外通告を受ける元プロ野球選手・柳澤大翔を演じる鈴木。中学2年生まで地元のクラブチームに所属しており、「野球はケガをしてやめてしまったのですが、小さい頃の夢はプロ野球選手だった」という。それゆえに、プロ野球選手役を演じることには複雑な気持ちもあったようで、「すごく本気で取り組んでいたからこそ、恐れ多いといいますか……」「僕は野球を諦めてしまった身なので、『大好き』と胸を張って言えなかった」と吐露する。
しかし、野球愛にあふれる柳澤大翔という役と向き合っていくなかで、迷いは晴れた。「野球が大好きな彼の言葉をセリフとして覚えて、吐き出していると、僕自身も野球がすごく好きな気持ちになりました。『また、こうして野球に出会えて良かったな』とすごく思えています」としみじみと語った。そして、「今は、撮影でバンテリンドーム ナゴヤに立たせてもらうのが、すごく楽しみで。一回でもいいから、練習でホームランを打てたらいいなと思っています(※取材は6月に実施)」と目を輝かせる姿は、野球少年だった頃の彼を想像させた。
役づくりで野球の練習
柳澤大翔は、プロ初打席で決勝打となるホームランを放ち、鮮烈なデビューを飾った選手だ。どうしたら、ホームランを打つようなプロ野球選手に見えるだろう。その説得力を持たせるため、役づくりとして野球の練習にも打ち込んだ。
「野球をやめてから、バットを振ったり、ボールを投げたりする機会がなかったので、時間があれば、練習をしています。中学時代は、ホームランバッターとまでは言えないですが、4番や5番を任せてもらって、たまにホームランも打つようなバッターではありましたが、高校、大学、プロとなると、全く世界が違うスポーツなので。真剣に取り組まないと、視聴者の皆さんにも認めてもらえない。そんな作品になるのは嫌だったので、今できることを一生懸命やっています」
中田翔のホームランに感動
今作への出演がきっかけで、ドラゴンズの試合結果を気にするようになったそう。印象深かった試合を尋ねると、「延長12回に中田翔選手が打って、勝った試合があるのですが、速報を確認しながら、ずっとドキドキしていました。中田選手は、20代を終えて30代になって、リラックスした様子で言葉一つひとつを口にされている印象があります。移籍してすぐ、ケガもあったり、打てていなかったので、一発が出て、僕もすごくうれしかったですね」と感慨深げに振り返った。
そして、今作の見どころとして、「とにかく野球愛にあふれた作品です。ドラマサイドから野球愛を世の中に投げる、新しい形の作品かなと思っています。その中にも、いろいろなストーリーもあり、何かを諦めてしまった人や、挫折してしまった人に響く作品にできるように僕も演じているので、土曜日の夜に気楽に観ていただけたらうれしいです」とメッセージを送った。
なお、鈴木は同作の主題歌も担当。シンガーソングライターのHIPPYがプロデュースを手がけた新曲「生涯HERO」にも注目だ。