日本の「Netflix週間TOP10(シリーズ)」で3週連続1位に輝く大ヒットを記録しているNetflixシリーズ『極悪女王』(9月19日より世界独占配信中)で、伝説の女子プロレスラー・長与千種役を演じた唐田えりか。肉体改造にプロレス練習、さらにダンスや歌にも挑戦し、「敗者髪切りデスマッチ」では丸坊主に。並々ならぬ覚悟で本作に挑んだ唐田が撮影の裏側を語った。

  • Netflixシリーズ『極悪女王』長与千種役の唐田えりか

1980年代にカリスマ的人気で女子プロレス旋風を巻き起こしたダンプ松本の知られざる物語を描いた本作。様々な代償や葛藤を抱えながら最恐ヒールに成り上がっていくダンプ松本をゆりやんレトリィバァが演じ、クラッシュ・ギャルズを結成し国民的アイドルレスラーへと駆け上がる長与千種とライオネス飛鳥を、唐田えりかと剛力彩芽がそれぞれ演じた。本格的な肉体改造と長きにわたるプロレス練習によって、プロレスシーンもほぼすべてキャスト自ら熱演。その再現度の高さにも感嘆の声が上がっている。

ダンス&歌を特訓「必死に食らいついていきました」 方言の壁も

唐田にとって、今回の役柄はプロレス以外の挑戦も多かった。中でもダンスと歌はどちらも苦手だったと本人は振り返る。「炎の聖書」ダンスは、撮影が決まった約1カ月前からプロのダンサーでもあるジャガー横田役の水野絵梨奈に教わり特訓。水野は長与千種、ライオネス飛鳥の踊りの特徴を捉えてアドバイスをくれたという。長与の場合、とにかく楽しそうに、跳ねながら踊るのがポイント。剛力と一緒に練習を重ねたが「姉さん(剛力)と覚えるスピードも違うし、必死に食らいついていきました」と当時の苦労をありありと語る。

また、長与千種(長崎出身)のセリフは全編長崎弁。トレーニングと並行して方言指導の先生と長崎弁を練習した。時間が限られていたため、方言を事前にリスニングで聞き込み、先生と会う時にはほぼ完成した状態を持っていった。週3回の体作りトレーニングに週2回のプロレス練習、合間でダンス・歌練習に方言学習と、日々「長与千種」になるための準備に取り組んだ。

とにかく食べて増量「ずっと満腹の状態でした」

役作りの一環として「増量」は避けて通れない道だった。よく寝るタイプで、休みの日は昼まで寝ることも多いという彼女だったが、栄養管理士に「寝ていいから、朝起きて1度食べて、また寝てください」と、体を大きくするためにとにかく食べることを求められたそうで、「お腹がすいたという感覚はほとんどなく、ずっと満腹の状態でした」と当時を振り返る。

体全体を大きくするなかでも、重点的に鍛えたのが肩や首周り、二の腕など。水着で体のラインが出てしまうこともあり、ゆりやんレトリィバァと並んだ時に、説得力を持たせなきゃと必死だった。結果、肩の幅や首の太さが変わり、よりたくましい見た目になることで、自分の演技に対する自信も高まっていったと語っている。

代役を提案されたニールキックも涙ながらに「やります!」

プロレス技の中でも、特に難易度が高かった長与の得意技「ニールキック」。撮影前にスタッフから「この技は代役を使った方がいい」と言われていたが、長与の特技に代役を立てることが悔しく、唐田は「絶対に自分でやる」と決意。「悔しかったんです。自分も他のみんなも、いかに自分でできるようにするかが課題だと思っていました」と語る。

練習後、いざ撮影の段階で「やっぱり危険だからやめようか」と提案された時も、涙ながらに「やります!」と強く訴えたほど。本気で練習に打ち込んでいたからこそ、自然と長与千種という役にリンクすることができたと振り返る。