老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人も……。今回は、遺族年金にかかる税金について、年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、遺族年金にかかる税金についてです。

◆Q:遺族年金は税金がかからないのですか?

「遺族年金は所得税や住民税が非課税になると聞きました。老齢年金と遺族年金だったら、遺族年金のほうが有利ということになりますか?」(相談者)

◆A:遺族年金は所得税・住民税はかかりません。老齢年金も税金がかからない場合があります

厚生年金保険や国民年金保険などに加入し、生活を支えていた人(被保険者)が亡くなったときは、遺族に対して遺族年金が支給されます。

この遺族に支給される遺族年金は、所得税、住民税は課税されません。国民年金法、厚生年金保険法などの法律で課税されないことになっています。

老齢年金は、雑所得として所得税がかかりますが、雑所得の金額は、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。公的年金等を受け取った場合は、収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算します。65歳未満の人は、年金収入が108万円未満、65歳以上の人は158万円未満の場合、所得税はかかりません。

以上のことから、老齢年金の収入金額や控除額によっては、老齢年金も所得税がかからない場合もありますので、一概に老齢年金より遺族年金のほうが有利とはいえません。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部