マイナビとNPO法人企業教育研究会(千葉県)は共同で、キャリア教育のためのオリジナルカードゲーム教材『カードゲームで学ぶキャリア図鑑』を開発。7月より全国の中学校への出張授業の提供を無償で行っており、10月7日には東京都で初めて開催した。
「社会的・職業的な自立が求められる昨今、中学生のうちから社会や職業を知り、勤労観を学ぶことも大切」と考えるマイナビ。
一方で、幅広い職業や勤労観を中学生に教えるには学校の負荷が大きいことや、地域によっては職業が限定されてしまう課題があることから、同社はこれまで培ってきた人材に関するノウハウを生かし、「業種・職種に関する知識」を学ぶ出張授業コンテンツを開発。カードゲームを通して地域社会を支えるさまざまな職業や業種を知り、楽しみながら仕事と社会とのつながりに対する理解を深めることができるという。
授業時間は2コマ(50分×2)。対象は中学2年生とされており、1・3年生は要相談。出張授業はすでに12県・19校で実施されており、10月7日には渋谷区立上原中学校92名を対象に行われ、東京都で初の開催となった。
1時間目の授業では、4人1組でオリジナルカードゲームに挑戦。鉱山の閉山により、少子高齢化と人口減少が進む架空の都市を舞台に、この状況を打破すべく4人の市民が立ち上がり、さまざまな業種を連携させてバーチャル鉱山を充実させていくという設定でゲームを進めることで、「社会のさまざまな業種・職種」「地域社会への参画」について学ぶことができるというもの。グループワークでは活発な意見交換が行われ、ゲームを通して業種・職種への理解が深まっている様子が見られたという。
2時間目は、ワークシートを用いてカードゲームの振り返りを実施。授業の後半では講師(マイナビ社員)より、企業事例を用いてゲームを通して学んだ「業種・職種の概念」「仕事と社会参加の関連」「兼業と業務提携」「産学官連携」「勤労観」といった概念について解説。将来自分はどのように仕事を通して社会に参画できるかについて、考える内容となっている。
開催後、生徒たちからは「カードゲームでいろんな仕事について勉強した後に、講師の方から解説をしてもらえるのがとてもわかりやすかった」「“サラリーマン”というくくりでしかこれまで職業を知らなかったので、こんなにも世の中はさまざまな仕事であふれていることを知り、とても驚きました。いろんな選択肢が将来には広がっていることを知って、これから未来について考えるのがとても楽しみになりました!」「『業種連携』の話を聞いて、いろんな業種の人同士が協力しあうことで、より大きな問題を解決できることを知りました」といった感想が寄せられている。