西武鉄道は8日、視覚や聴覚によるインフォメーションサービス改善の一環として、新宿線系のホーム自動案内放送を拡充するとともに、列車案内表示器のカラーユニバーサルデザイン(CUD)対応を進めると発表した。

  • 更新後の運行管理システム(写真は池袋線のシステム)

ホーム自動案内放送の拡充は、新宿線系の運行管理システム「SEMTRAC(セムトラック)」を10月14日に更新することにより行う。列車接近時の英語放送が追加されるほか、優等列車での途中停車駅の案内や3~10分の遅延を対象とした遅延情報案内が追加される。

西武鉄道の路線のうち、池袋線系の路線(池袋線、西武秩父線、豊島線、狭山線、西武有楽町線)と山口線は2023年度に更新済み。10月14日からの更新範囲は新宿線系(新宿線、西武園線、国分寺線、拝島線、多摩湖線)とされ、多摩川線についても10月29日から切り替える予定となっている。

システム更新にともない運行表示盤の面積が1.5倍に拡大されるとともに高性能化され、各駅の監視カメラ映像や付箋機能などのオーバーレイ機能も搭載。気象条件による運転規制表示なども可能になり、対応力が向上するという。

  • 列車案内表示器のカラーユニバーサルデザイン(CUD)対応例

駅の列車案内表示器については、一部の色弱者に認識しにくい赤色の文字で重要な情報を表示することをやめ、黄色など色弱者にも認識しやすい表示に改めることでCUD対応とする。列車種別の表示は色弱者が似たような色と認識してしまうことから、文字に影を入れることで認識しやすいよう改善する。これらの対応を行った列車案内表示器には、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構によるCUD検証を受け、合格したものに「CUDマーク」を貼り付ける。

今月中に拝島線拝島駅で実施する予定。それ以降は列車案内表示器の更新等により、全駅で順次CUD対応を進めるとのこと。