年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、65歳以上で厚生年金に加入して働き続ける場合の、もらえる年金額が改定されるタイミングについてです。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、65歳以上で厚生年金に加入して働き続ける場合の、もらえる年金額が改定されるタイミングについてです。

◆Q:65歳以上で厚生年金に加入して勤務すると、年金が増えるのは、いつ?

「現在65歳で会社員をしております。厚生年金に加入して厚生年金保険料を支払い続けております。今働いている分の厚生年金は、いつ受け取れるのでしょうか? せっかく払った年金はなるべく早く受け取りたいものです」(東海・65歳・会社員)

◆A:毎年10月に改定され、12月にもらえる年金額に反映されます

2022年(令和4年)4月から「在職定時改定」という制度が導入されました。この制度は、老齢厚生年金をもらいながら厚生年金に加入して働いている65~69歳の人に対して、前年9月から当年8月まで働いた1年分の厚生年金保険料分を、10月分の老齢厚生年金額に反映するというものです。

改定が反映された10月分の老齢厚生年金は、12月に支給されます。

相談者のように65歳以降も働いて厚生年金に加入し、給与から厚生年金保険料が天引きされている人にとっては、退職を待つことなく老齢厚生年金の支給額が増えていきますので、うれしい改定といえるのではないでしょうか。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

文=All About 編集部