日本インフォメーションは、今年とこれまでの夏の暑さの体感比較、消費が増えた食料品・飲料、外出頻度の増減など、猛暑による消費者の影響を調査した。調査期間は2024年8月19日~8月20日。調査対象は全国の16~69歳の男女で、有効回収計は995サンプルであった。男女比は下記の図の通りである。

  • 猛暑の感じ方(vs昨年まで)

Top 2 Box(「暑いと感じた」「やや暑いと感じた」)は全体で86.3%であり、約9割が「今年の夏が暑い」と回答した。多少の増減はあるものの、男女とも年代が上がるにつれてTop Box(「暑いと感じた」)と回答する人が増えており、高齢層は若年層と比較してより暑さを感じやすいことがうかがえる。

Top Box、Top 2 Boxとも、男女60代で最も数値が高くなっている(男性60代:TB 74.1%, T2B 90.6%/女性60代:TB 82.8%, T2B 97.7%)。T2Bの平均値では、男性(82.3%)より女性(90.1%)の方が7.8pts高く、女性の方が男性より暑さを感じていることがわかった。

  • 今夏に感じた夏バテの症状

夏バテを感じた人は約7割であった。症状としては、「疲れを感じる」(42.5%)が最も多く、「身体の重さ・だるさ」(35.1%)、「不眠・睡眠不足・睡眠が浅くなる」(27.3%)と続いた。Q1の猛暑の感じ方に続き、夏バテの症状に関しても、女性の方が多い結果となった。一方、3割程度が「夏バテは感じなかった」と回答した。

「身体の重さ・だるさ」「不眠・睡眠不足・睡眠が浅くなる」など上位5つの症状については、女性全体のなかで30~60代の数値が高くなっていることがわかった。特に「不眠・睡眠不足・睡眠が浅くなる」は女性50代43.7%(全体より+16.4pts)、「身体の重さ・だるさ」は女性40代47.1%(+12.0pts)と多くなっていた。また、10代女性では、「めまい・立ちくらみ」37.5%(+18.4pts)、「頭痛」36.3%(+15.8pts)が多い回答となった。

  • 夏バテ対策の有無

前項目で「夏バテを感じた」と回答した人は約7割であったが、実際に夏バテの対策をしている人は3割に留まる結果となった。また、約3割が「対策したいと思っているが、できていない」と回答した。

男女とも年齢が上がるほど暑さを感じやすい傾向にあるが、「対策をしている」と回答したのは男性20代が46.8%と最も高く、男性60代が17.6%と最も低くなっていることがわかった。男性では年齢が上がるほど対策をしている人が減っていることがうかがえる。一方女性では、多少の増減はあるが年齢が上がるにつれて対策をする人が増えており、60代女性が41.4%と最も高くなっていることがわかった。「対策をしたいと思っているが、できていない」と回答したのは、男性10代47.4%(全体より+13.6pts)、女性40代44.7%(+10.9pts)、女性10代43.8%(+10.0pts)で約4割を超えており、男女とも10代に対策できていない傾向がみられた。

  • 今夏に購入頻度が増えた食料品

購入頻度が増えた食料品としては、「アイスクリーム」(29.6%)の回答が最も多かった。一方で、 「特になし」(48.1%)は約半数という結果となった。

「アイスクリーム」は女性10代37.5%(全体より+7.9pts)、「野菜・果物」は女性30代20.7%(+5.1pts)。「麺類(そば、うどん、そうめん等)」は女性50・60代17.2%(+5.9pts)と、上位の品目では女性が全体よりやや高くなっていることがわかった。男性では20代にて、「乳製品(ヨーグルト、チーズ等) 」17.7%(+6.7pts)、「牛肉・豚肉・鶏肉」17.7%(+9.6pts)などの回答が多かった。「特になし」は男性50・60代で約5割(+5.4~6.0pts)であった。

  • 今夏に購入頻度が増えた飲料

購入頻度が増えた飲料としては、「飲料水、ミネラルウォーター」(25.9%)が最も多かった。 食品に続き、「特になし」と回答した人は44.3%であった。

「飲料水、ミネラルウォーター」は男女とも10・20代が全体より高く31.6%~37.5%(全体より+5.7~11.6pts)であった。一方で、男性40・50代は約2割と全体より少なくなっていることがわかった。男性10・20代は「スポーツドリンク」、女性10代は「炭酸飲料」もそれぞれ約2割と全体より5.1~7.0pts高い結果となった。「特になし」は男性30代、女性30・40代で約5割を超えており、全体より8.1~9.8pts高い結果となった。

  • 外出頻度 (vs昨年まで)

外出頻度は「去年とほぼ変わらない」(53.3%)が最も多かった。しかし、「外出が減った計」は35.2%であり、「外出が増えた計」(11.5%)と比較すると23.7pts多く、今年の夏は外出が減った人も多かったことがうかがえる。

「外出が減った計」では女性10・20代が約4割を超えて、全体より4.9~7.6pts多い結果となった。一方で、「外出が増えた計」では、男女とも10代が約2-3割と多くなり(男性10代:22.3%(全体より+10.8pts)、女性10代:28.8%(+17.3pts))であった。「外出が減った計」「外出が増えた計」ともに男性より女性の方が平均値が高い反面、「昨年とほぼ変わらない」では男性の方が高く、女性の方により外出頻度の変化がみられた。

例年よりも暑さの実感値が高く、外出頻度が減った人が多い傾向にあった。夏バテを感じていながらも対策をしている割合は少ないため、企業や自治体からの夏バテ対策の情報提供や啓蒙活動も必要であるとのこと。