ユーグレナは10月3日、レチノールに関する調査結果を発表した。調査は2024年9月12日~13日、全国の20代~70代の女性1,000人を対象にインターネットで行われた。あわせてエルムクリニック麻布院院長の美容皮膚科医・横山 歩依里氏監修による、レチノールの正しい取り入れ方を紹介している。

「レチノール」名称も効果も知っている人はわずか15.2%

同社の調査によると、レチノールについて「まったく知らない」という人は36.0%と4割を切っており、6割以上の人がその名称は耳にしたことがあるとわかった。しかし、効果についても正しく認知している人はわずか15.2%にとどまる。

  • 「レチノール」という化粧品成分を知っていますか?

「非常に高い効果を持つレチノールだが、肌質によっては副反応が見られることもあり、使用する際に注意すべきポイントのある成分」と同調査。横山氏は以下のように解説している。


レチノールの効果

レチノールには皮膚のターンオーバー(肌の新陳代謝)を促進する効果がある。加齢とともに遅くなるターンオーバーが正常に戻ることで、古い角質がはがれ、肌が柔らかくなり、くすみも解消される。

表皮細胞の厚みを増し、繊維芽細胞を刺激してコラーゲンの生成を促進するという効果も。これにより、肌の弾力性が向上し、シワが目立ちにくくなるといわれている。

皮脂の分泌を抑える働きもあり、ニキビの予防や毛穴の広がりを抑える効果も期待できるという。

使用する際に注意すべきこと

レチノールは美容成分の中でも強力な成分であるため、初めて使用する際は少量から始め、肌の反応を見ながら徐々に量を増やすのが良いとされている。

紫外線に弱く、使用後は肌のバリア機能が一時的に低下するため、製品によっては夜間のみの使用が推奨される場合も。もしも日中に使用する場合は、レチノールを塗った後、必ず高いSPFの日焼け止めを併用するよう、横山先生は勧めている。

また、レチノールは顔全体に使用できるが、皮膚が薄い部分(首、まぶた、リップなど)は特に注意が必要だという。これらの部位は赤みや腫れが出やすいため、避けるか、薄く塗ることが推奨される。

他成分との組み合わせについて

AHA(アルファヒドロキシ酸/フルーツ酸)やサリチル酸などの強力なピーリング成分とレチノールを重ねて使用すると、肌に過剰な負担がかかってしまい炎症を引き起こす可能性があるため、同時使用は避ける必要がある。

ハイドロキノンやビタミンCは、レチノールと併用することで、より効果的にシミや色素沈着の改善が期待できると考えられている。

マイルドな「次世代型レチノール」も

クリニックで処方されるレチノールは効果も高いが、医師の指導のもと量や頻度などに注意を払って使用する必要がある。近年、市販の化粧品でもレチノールを配合したものは人気を博しているが、肌が弱かったり合わないと、肌の赤みや皮むけ、かゆみといったA反応(レチノイド反応)が現れることも。

そのリスクを低減するために、最近では「次世代型レチノール(レチノイン酸ヒドロキシピナコロン)」と呼ばれる、反応がマイルドな成分も登場している。従来のレチノールの効果はそのままに、刺激を軽減し、より安定した形で肌に作用するように設計された新しいレチノールの形態の成分。市販のスキンケアでレチノールのものを選ぶ際は、次世代型レチノールを配合したもののほうが安心だという。