拡大を続ける急成長ブランド

オートバックスセブンが2017年から展開しているゴードンミラーは、「ガレージから始まるライフスタイルの提案」をコンセプトとしたプライベートブランド。車両やシートカバーなどのカー⽤品はもちろん、アパレルやアウトドア用品など幅広いジャンルを取り扱っており、オフシーンにおけるカーライフをトータルパッケージで提案している。

クラシカルで統一感あるデザインと独特の世界観が受け、特にアウトドア愛好者からの支持を集めていった。毎年のように売り上げを伸ばし続け、正規取り扱い店も2017年の3店舗から、現在は30店舗にまで増やしている。

一次産業向けに誕生した新レーベル

オフシーンをイメージしたガレージライフを提案してきたブランドコンセプトから一転、このほど立ち上げた新レーベル「GORDON MILLER WORKS UTILITY(ゴードンミラー ワークスユーティリティー)」はオン(仕事)でのガレージライフをイメージしている。特徴的なのが、農業をはじめとする一次産業の作業シーンに目を向けている点だ。

ゴードンミラーのPR担当である広瀬ゴンザレス幸雅(ひろせ・ゴンザレス・ゆきまさ)さんは「私自身、実家が農家であることもあり、私たちがこれまで手掛けてきた『カッコ良いをデザインする』事を通じて産業としての農業と地域を盛り上げたいと考え、新レーベルを立ち上げました」と思いを語る。

同社では定期的に、ゴードンミラーのファンらを招いたオーナーズキャンプを各地で開催しており、イベントを通じて地場の食材を使った料理の提供などを行ってきた。農業分野へ事業領域を広げていく事で、今後更なる地域貢献活動につなげていきたい考えだ。

日々の農作業を彩る、クラシカルなデザインの軽トラ

新レーベルを発表した今年8月、同社はダイハツハイゼットトラックをベースにした新車両「GMLWU T-01」の販売を開始した。フロントはゴードンミラーシリーズの象徴とも言える丸目のライトが特徴的で、ボディカラーはゴードンミラーオリジナルの「オリーブドライブ」、「コヨーテ」の2色でラインナップ。これまで同社が築き上げてきたブランドコンセプトを踏襲しており、クラシカルな独特の世界観を日々のワークシーンでも楽しめる。

車両を展示している直営旗艦店舗「GORDON MILLER KURAMAE」で車両を見せてもらうと、伝統的なフロントのデザインからは、ブランドとしてのこだわりが見えてくる。シックなボディカラーも相まって、経年と共に更に違った味が出てきそうだ。荷台は黒の塗料でコーティングしており、カゴや農具を出し入れしてもキズやサビが付きにくい。生産者の活用シーンを慮った、細部へのこだわりも垣間見えた。

「車を買い替えずとも、今の愛車でもゴードンミラーの世界観を味わってほしい」と、フェイスキットのみの販売も行っている。広瀬さんによると、これはゴードンミラーとしては初の試みとの事だ。

「カッコ良い」を作る事でアップデートを応援

車だけでなく、カー用品の豊富なラインナップで自分好みの空間作りを楽しめるのが、ゴードンミラーの真骨頂だが、ワークスユーティリティーでも今後、作業服などの取り扱いアイテムを拡張していく予定だ。車や商品を展示販売する新店舗も行く行くオープン予定だと言い、広瀬さんは「将来的には、ファーマーズライフをトータルでサポートするJAのような存在を目指したい」と意気込む。

「新レーベル立ち上げを決めてから、多くの生産者と関わらせていただいていますが、本当に良い仕事をしている方ばかり。そんな方たちに気高くいてほしいですし、もっと日の目が当たってほしい。我々が『カッコイイ』を提案していく事で、生産者の皆さんの魅力を押し上げ、アップデートを応援していきたい」

農業に無くてはならない軽トラをオシャレに彩り、統一感のあるデザインの作業着や道具に身を包む。農作業に出向くのがワクワクするような世界観の実現に、期待が膨らむ取材だった。

取材協力