住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営する株式会社MFSが、今後の金利情報についてお伝えします。解説は、取締役COO:塩澤崇です。

■10月の住宅ローン金利の動き

2024年10月の住宅ローン金利情報をお伝えします。

日銀の追加利上げを受けて先月メガバンク3行の短プラが0.15%引き上げられました。短プラは住宅ローン基準金利のベースとなっており、また、住宅ローン基準金利の見直しが4月と10月のため、今月からメガバンクを含む多くの金融機関の住宅ローン金利が約0.15%上昇しました。

ただし、一部の銀行は基準金利を引き上げたにも関わらず、引下げ幅を拡大することで適用金利を9月から上げない戦略を取っており、金利競争の激しさを物語っています。

日銀の追加利上げに伴い変動金利は今後上昇していく可能性が高いですが、依然として変動・固定の金利差には大きな開きがある状況です。モゲチェックとしては、借り過ぎないなどの金利上昇リスク対策をしっかりと行う前提で、引き続き変動金利の利用が有利と考えています。

■金利が一時的なものか、長期的に適用されるものかを見極めることが大事

今月は短プラ引き上げの影響で多くの金融機関の住宅ローン基準金利が約0.15%上昇しました。その結果、10月の適用金利も同程度上昇しています。

一方、一部金融機関では住宅ローン基準金利を据え置いたり、基準金利を引き上げるものの引き下げ幅を拡大して適用金利を据え置く動きもあります。以下の表に先月との比較をまとめています。

続いて、今年4月から10月までの主要金融機関の住宅ローン基準金利及び引き下げ幅の動きも確認してみましょう。

4月と10月の各金融機関の基準金利・引き下げ幅・適用金利は下記表の通りです。総じて適用金利は0.15%程度の上昇となっています。

原則、基準金利は日銀の利上げ幅と同程度になることが多く、引き下げ幅は各銀行の集客戦略によって決定されます。10月の適用金利のみで判断するのではなく、その金利が住宅ローン基準金利見直し前の一時的なものか長期的に適用される金利かを見極めることが大事です。

■住宅ローンインデックスの動き

主要なネット銀行、メガバンク、地方銀行の変動金利、メガバンクの10年固定金利、フラット35の金利をそれぞれ平均したモゲチェックの独自指標である「住宅ローン金利インデックス」の動きは下図の通りです。

今月はメガバンクが短プラを引き上げましたが、住宅ローン金利の見直しは来月以降のため、金利水準に大きな変化はありませんでした。ただ、変動金利を先月はソニー銀行が、楽天銀行は4月以降連続で引き上げたため、変動金利ではネット銀行の金利インデックスがメガバンクの金利インデックスを上回る逆転現象が起きています。

来月以降は他のネット銀行も住宅ローン基準金利の引き上げを発表しており、メガバンクの住宅ローン基準金利の引き上げと相まって各銀行の戦略により金利差が広がる可能性があります。

固定金利は、日銀の利上げを受けて長期金利が低下したため、先月より若干低い金利となりました。米国では金融緩和が検討されており、日本の長期金利も落ち着いた動きをすると思われます。

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