累計発行部数2, 900万部(2024年7月時点)を突破した野田サトルの大人気コミック『ゴールデンカムイ』(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)を原作とした映画『ゴールデンカムイ』の続編となる、ドラマシリーズ第1弾『連続ドラマW ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-』(毎週日曜22:00~全9話 ※第1話は無料放送 WOWOWプライム/WOWOW4K/WOWOWオンデマンド)が、10月6日から独占放送・配信スタートする。
同作は、明治末期の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリーであり、厳しい大自然の中で一癖も二癖もある魅力的なキャラクターたちが躍動する姿を描くサバイバル・バトルアクション。劇場版に続いて、杉元佐一役の山崎賢人を始め、アシリパ(※リは小文字が正式表記)役の山田杏奈、眞栄田郷敦、矢本悠馬、工藤阿須加、栁俊太郎、大谷亮平、勝矢、木場勝己、玉木宏、舘ひろしらが続投。さらには、ドラマシリーズ版からキロランケ役の池内博之、インカラマッ(※ラは小文字が正式表記)役の高橋メアリージュン、家永カノ役の桜井ユキ、奥山夏太郎役の塩野瑛久、鯉登音之進役の中川大志、犬童四郎助役の北村一輝らも登場し、埋蔵金を巡るバトルは佳境を迎える。アシリパ役を演じた山田杏奈に、ドラマシリーズの見どころと共に、「影響力のある大作に出演するにあたって思うこと」について語ってもらった。
――山田さんは、日頃からSNSでエゴサをよくされていらっしゃるそうで。そもそも、山田さんが『ゴールデンカムイ』の原作を読んだきっかけも、ファンの方たちによる実写化キャスト予想で、アシリパ役に山田さんの名前を挙げている投稿を見つけたからなんだとか。
そうなんです(笑)。
――とはいえ、映画の公開前は、年齢や身長など原作のアシリパと異なる部分について内心不安も感じられていたそうですが、公開後のファンの方々の反響もチェックされました?
はい。しました(笑)。たとえどんな作品であっても賛否両論はつきものですし、もちろん批判も無くはないと思うのですが、私が見る限り、『ゴールデンカムイ』の実写化については、あまり否定的な意見は見当たらなくて。「アシリパが私(山田杏奈)でよかった」とSNSに書き込んでくださった方々も結構いらして。そこについては、心底安心しました(笑)。
――山田さん以外のアシリパは思いつかないほどの、見事なハマりっぷりでしたが、演じる以上はやはり反応が気になるものですか?
そうですね。どの作品でも気になりますが、漫画であれ小説であれ、原作がある作品を実写化する場合は、原作のファンの方々がどう感じていらっしゃるのか、より一層気になります。
――特に『ゴールデンカムイ』は、登場するキャラクターの濃さや人数の多さも相まって、ファンの方々の好みも様々。ドラマ版に向けては期待値のハードルがさらに上がっていると思いますが、衣裳やメイク、小道具にも相当力が入っていて。どのキャラクターも原作から飛び出してきたかのようです。スタッフもキャストも気合いの入り方が特殊な感じがします。
確かにアシリパを演じる上でも、アクションシーンや変顔など、特徴的な要素が原作内にてんこ盛りなので、内心「どうしよう……?」と思いながらなんとかやり切ったところもあります。撮影前には、山に入って鹿を仕留めて解体する動画を観て、肉のさばき方を学んだり……。
――動画でイメトレされたんですね(笑)。山田さんは、サバイバル能力が高い方ですか?
自分でできるかどうかはさておき、知識だけは増えた気がします(笑)。「アシリパ役を通じて、アイヌ文化に詳しくなりました!」なんて言えるレベルでは到底ないのですが、自分なりに学んで本質的な部分まで考えた上で、これからさらに勉強していきたいなという気持ちはありますね。
――アシリパ役を演じる上で、「私、頑張った!」と自分を褒めたいシーンはありますか?
アシリパが鹿の毛皮を頭の上に載せて運ぶ場面があるのですが、あれがかなり重くて。首が後ろ側に持っていかれそうになるのを必死に耐えながら撮影してました。きっとアシリパさんは首の筋肉がすごく発達しているんだろうなと思いましたね(笑)。
――『ゴールデンカムイ』と言えば下ネタも満載ですが、撮影中は誰もが臆することなく、口にされるものなのですか? それとも現場でも笑いが起きていたりするのでしょうか?
あまりに口にし過ぎて、もはや感覚が麻痺しているというか。いちいち反応しないです(笑)。
――なるほど(笑)。食べるシーンも『ゴールデンカムイ』の見どころの一つですよね?
そうなんです!第2話に登場するニシン漬け(ニシンに米麹を利用してキャベツや大根などとともに漬け込む保存食)が、この作品の撮影中に食べた料理の中で私は一番好きでした。
――実写で再現することで、アイヌ文化に対する興味や関心がさらに掻き立てられる側面もあるのではないかと。では、山田さんが思うドラマ版『ゴールデンカムイ』の見どころは?
クセの強いキャラクターが次々登場しながらも、映画版と比べてさらにテンポ感がアップしていて、物語がしっかり進んでいくところが、ドラマシリーズ第1弾 の一番の見どころだと思います。映画版もドラマ版も撮影周りのスタッフさんたちは共通なのですが、ドラマ版の監督だけが変わるんですよね。演出方法も三者三様 ですし、話数によってそれぞれの監督の特色が出ていてとても興味深いです。映画版と比べてドラマ版は物語的にコミカルでシュールなシーンが多くなっている分、シリアスな場面との演じ分けもさらに難しくなりますが、「原作で印象的な場面をいかに実写で再現するか」については皆さん監督と逐一相談してましたね。杉元と白石とアシリパの掛け合いの妙もさらにパワーアップしていると思います。
――山田さんの過去の出演作を振り返ってみると、作品の規模の大小は問わずに、やりがいのある作品に挑まれている印象があるのですが、近年メジャー作品に立て続けに出演されてみてどう感じていますか?
これまでと変わらず「これは杏奈に合いそう」とか「これはすごくいいと思う」といったマネージャーの直感を頼りに話し合いながら、いろいろな作品と出合えたら……と思いつつ、まさに『ゴールデンカムイ』のように、長い時間をかけてひとつの作品や役柄と関われることは純粋にうれしいですし、もっと多くの方々に"山田杏奈"を認識していただけるようになりたいです。エンタテインメントの世界に携わる者の一人としては、私の名前をきっかけにドラマを観てくださったり、映画に足を運んでくださったりする方が増えたら嬉しいです。
――影響力が高まることによる「怖さ」のようなものを感じることはないですか?
これからも、真面目に生きなきゃいけないなと思うだけです(笑)。ファンの方々の応援はすごく励みになりますし、SNS上での皆さんの熱量の高さにいつも救われています。あくまで撮影現場に行ってお芝居をすることが私のメインの仕事にはなりますが、「ファンの方々には絶対に届いている」という安心感があるからこそ、頑張れるというのはありますね。有難いなと思っています。
(C)野田サトル/集英社 (C)2024 WOWOW