―ytv漫才新人賞のROUND1を突破しました。
ホソ:僕らは大阪・よしもと漫才劇場のメンバーになれたのも今年に入ってからだったので、今回良い結果をいただけてうれしいというよりも驚いているというのが正直なところです。
―コンビ結成のきっかけは?
僕らはNSCで出会って、その時は新型コロナ禍で授業もリモートでやるスタイルだったんです。なので、直接会って話したり、授業の後に飲みに行くみたいなことはなかったんですけど、リモートでも「これは!」と思うくらい、相方のエピソードトークに惹かれるところがありまして。そういうインスピレーションで、コンビを組むことになりました。
―真平さんは何かビビッとくるものがありました?
真平:…これがねぇ、まだないですね(笑)。
僕は純粋にネタが書きたかったので、自分がネタを書ける相方を探してもいたんです。その中で、出会ってネタを見せてもらったら、これがエグイほどつまらなくて…。これなら主導権は握れそうやなと思って組みました。
どんな風につまらなかったですか?そうですね、設定も思いっきりありきたりで、ボケもありきたりなものだったので、このまま舞台に出すのは無理だなと。とても任せられない。一緒にネタを作るのも難しいだろうなと。ただ、それならば僕が書ける。そこが決め手になったというのは本当にありました。
ホソ:ボロクソやな…。
真平:芸人という仕事をするとなっているのに、誰かにネタを書いてもらうというのは僕の中ではイヤすぎて。自分が面白と思って書いたものを見てもらって、ウケる、ウケないも含めて自分が受け止める。それをしないと意味がないと思っていたので、僕からしたらそこができる相方ということで組もうとなりました。
真平:すぐには評価されないというか、お客さんにはウケませんし、講師の方からの声もかんばしくはなかったんです。ただ、同期や近い先輩は「面白い」と言ってくれていた。そこを頼りにとにかくネタを作り続けました。
どこにも数では負けないくらい、ネタは作ってきたつもりです。「面白い」と言ってくれる人もいる。そこを信じて作り続ける。それを続けているうちに、手ごたえが出てきたというか、手ごたえをつかみ取った感じだと思います。
ホソ:ytvの賞で言うと、去年「空前メテオ」さんや「ぐろう」さんといった、ずっと一緒にやってきた先輩方が決勝で戦っているのを見て、ものすごく悔しい思いもあったんです。
一緒にやってきた人が大きな舞台で戦っているのに、自分たちは何もない。でも、今年、同じ舞台に出られるのは本当にうれしいことですし、そういう方とやってきたということが自信になっているのもあると思います。
―コンビとしてのストロングポイントは?
真平:繰り返しになりますけど、とにかくネタをたくさん作ってきました。なので、ネタのテーマ選びとか、方向性、広げ方のバリエーションは多いと思いますし、他のコンビとかぶらない部分だとも思っています。
他のコンビのネタでは見たことがない設定を作る。でも、そこに多くの人が共感してくださる。ただ珍しいだけではなく、面白さもしっかりとある。ここをいかに出していけるのか。大きなポイントだと思いますし、そのためにもネタをとにかく作るというスタンスは続けていきたいなと。
―芸人さんとしての目標は?
ホソ:もちろん、まだまだ先の話ですけど、いつか巨人の試合で始球式ができたらなと思っています。ずっと巨人ファンでして。
女性コンビの大会「THE W」の優勝コンビは始球式をやったりもしているんですけど、関西の男性コンビでそこにたどり着くのはなかなかないことかもしれません。ただ、これもずっと思っているのが「自分の好きなことを仕事にできたら、その時点でもう売れている」ということでして。
しっかりと売れていたら、趣味的に好きなことすら仕事になる。なんとか、その領域に行けたらなと思いますし、始球式ができていたら、芸人になった喜びをそこで一気に噛みしめているとも思います。
■マーティー
1996年2月19日生まれで大阪府出身の真平と、99年12月26日生まれで京都府出身のホソが2020年にコンビ結成。ともにNSC大阪校43期生。24年に大阪・よしもと漫才劇場の所属メンバーになる。6月には「UNDER5 AWARD 2024」の決勝に進出した。9月29日に放送されたytv新人漫才賞のROUND1を2位で通過。来春開催予定の決定戦出場を決めた。