「弘中芳之!公文書偽造の罪で逮捕する!」と月島刑事が逮捕状を掲げた。
「警察もやればできるじゃないですか。」と馬鹿にしたように容疑者・弘中が言う。
「偽造した書類で他人の土地を売り20億を騙し取ったことは認めますね。」と迫る月島。
偽造書類で土地取引の詐欺を行う弘中は、地面師だった!
弘中は「はい、間違いありません。」と犯罪をあっさり認める。
田中がさらに言う。「じゃあもうひとつ、出身県はどこだ?」出た!なぜか出身県を聞き出そうとする田中刑事!いつもなら容疑者もなぜか出身県を隠すのだが、弘中はこれもあっさり、いくつかの書類を差し出した。
パスポートには、本籍KANAGAWAとある。神奈川県出身だな!ところが免許証では本籍・福岡県になっている。不動産登記書には愛知県、印鑑証明には山形県、そうか!地面師は書類を偽造するので、出身県も偽造し放題。これでは本当の出身県がどこかわからない。
そこにやってきたのが、我らがケンミン刑事、神宮寺剣!
「弘中さん、出身県ではなく不動産詐欺の全貌を話してもらえませんか?」と穏やかに言う。
「話がわかる刑事さんだ。」と応じる弘中。「あなたに取調べしていただけるなら、幸せます。」ん?いま「幸せます」って言った?
ここで神宮寺の耳がピピっと反応!いつものプロファイリングが始まった!
「ふるさとはただ一つ。そこはおみくじの生産量が日本一。ゴミのリサイクル率も日本一。」追い詰められる弘中!神宮寺がとどめを刺す。「君は、山口県民だ!」言い当てられて倒れ込む弘中。
つまり、山口県民は「〇〇なら助かります」というところを「幸せます」と言うのだろうか?そんなおかしな言い方ある?
そこで山口県に行き、「お忙しいでしょうから日を改めましょうか?」と言う相手に「そうしていただけると、?????」と書かれたボードを見せて「????」を聞いてみた。
ある家族に聞くと一斉に「幸せます」と回答。
誰に聞いても「幸せます」と回答する。「アナウンサーも使う」と言う。
あるオフィスで観察してみると「折り返しお電話いただけると幸せます。」「一緒にお持ちいただけますと幸せます。」「ご確認いただけますと幸せます。」使ってる使ってる!日本語としても変だと思うのだが、普通に使っているではないか!
「山口弁には江戸時代頃から使われてきた<幸せる>と言う言葉がある。助かる、便利だという意味だ。この<幸せる>に、より丁寧な<ます>がついて<幸せます>になった。」
弘中が地団駄を踏んで悔しがる。「すごいわかりやすい!」悔しいのはそこ?
手錠をかけられた弘中が言う。「書類はごまかせても出身県はごまかせませんね。」
そんな弘中に神宮寺がこう言った。「ごまかせない真実がある。あなたが優秀な技術者だということだ。罪を償ったあと、その腕を正しいことに使うんだ。そうすれば偽物じゃない、本物の幸せをつかむことができる。」
「幸せになります。」とむせび泣く弘中を背に、去っていく神宮寺だった。カッコいいぞ!
それにしても「幸せます」なんて、人を幸せにする言い方だねえ。