お金が「貯まる人」と「貯まらない人」の境界線は、実は“口グセ”にもあります。貯まらない人がよく言っていて、たくさん貯まっている人が言わない口グセがあることをご存じでしょうか。

◆うっかり口にしていないかをチェック!

口から発する言葉は、音となって自分の耳で聞き、心で感じとり、思考にも大きな影響を及ぼすものです。

自分が発した何気ないマイナスの言葉で、自分の考え方にマイナスの影響を及ぼし、その結果貯蓄がうまくいかない……という負のスパイラルに陥ってしまう人もよくいます。

日々を楽しみながら、上手に貯蓄をしている人は、物事のスタート地点ともいえる“何気ないマイナスの言葉”を口にしない人がほとんど。そこで今回は、1000万円以上貯まっている人が言わない口グセについて、3つ紹介します。

◆言わない口グセ1:「どうせ私(僕、俺)なんて」

「どうせ私なんて、コツコツできないからお金が貯まらない」「どうせ僕は、貯蓄には向いていない」などと、自分のことを低く考えているような言葉は、1000万円以上貯めている人からは聞かれません。

「どうせ」と思ってしまった時点で、状況が現状維持どころか、どんどん後退してしまう道を進んでいってしまうからです。

「どうせ自分は、××だ」という言葉で悪い方向に考えてしまう人は、口グセをちょっと変えてみましょう。「自分は××だから、○○しよう」というふうに考えるのです。

「どうせ私なんて、コツコツできないからお金が貯まらない」

「私はコツコツできないから、自動積立定期に申し込もう(コツコツしなくても勝手に貯まります)」

「どうせ僕は貯蓄には向いていない」

「僕は貯蓄には向いていないから、超初心者向けの本を読んでみようかな(または、貯められている人にアドバイスを聞いてみようかな、等)」

という具合に。

自分のマイナス面を見つめて落ち込むのではなく、手っ取り早い解決策を同時に考えることで、「貯まらない人」から「貯まる人」に変わっていけるはずです。

◆言わない口グセ2:「いいな~○○さんは」

他人のことをうらやむような「いいな~○○さんは」という言葉も、1000万円以上貯めている人からは聞かれません。「○○さんはズルい」「○○さんは恵まれている、自分はそうじゃない」などと、他人と比較してねたむような言葉も同様です。

収入も育った環境も能力も見た目もスタイルも……人によって異なるのは当たり前のこと。他人をいくらうらやんでいても、自分がむなしくなっていくだけで、よくなっていくことはないでしょう。

1000万円以上貯めている人は、「人は人、自分は自分」と考えて、自分ができることに取り組む人が多いです。その結果、自分のできることから取り組むようになり、貯蓄もどんどん増やしていくことができるのです。

◆言わない口グセ3:「お金がない」

「そりゃ、1000万円以上あるんだから、『お金がない』なんて言わないのは当たり前でしょう!」と思われたかもしれません。

いえいえ、そういう意味ではないんです。今お金がたくさん貯まっている人も、昔をさかのぼると貯蓄が少ししかないときが必ずありました。でも、「1000万円貯めたい!」と思ったときから、「お金がない」という言葉を口にしない人が、1000万円の貯蓄を実現できているのです。

ただ、今のこのさまざまな状況から、お金の面で苦しい思いをしている方もいらっしゃると思います。

しかしそんな中でも、解決策を見つけて、一歩ずつ前に進んでいく人もいます。何かしようと思ったときに、「お金がないから無理だ」「お金がないから、何もできない」などと早急にあきらめてしまうと、前に進めなくなります。

「○○をするために、今はお金を貯めよう」「今はお金がないから、お金が貯まるように、何かを変えてみよう」と意識を前に向けることが、1000万円という大きなお金が貯まる近道だといえるでしょう。

もちろん、「お金を1000万円貯めること=幸せ」というわけではありませんが、日々を楽しみながら、無理なく1000万円を貯めたことで、理想以上の住宅購入や留学、老後の安心感など、夢を実現できたという声も多数あります。

そういった大きなお金を必要とする夢や目的がある方、そして「1000万円はまだ遠いので、まずは100万円が目標」という方も、これを機に、日々口からこぼれ出ていく言葉について、ぜひ見直してみてください。

「あ、この言葉、うっかり言っているかも……」というものがあれば、今日から意識チェンジを。貯蓄ができる人に、一歩踏み出せるはずですよ!

文:西山 美紀(ファイナンシャルプランナー)

出版社に勤務し、編集・マーケティングに携わった後、フリーライターとして独立。女性誌やビジネス誌などで、貯蓄法や子育てにかかるお金の貯め方などをテーマに取材し、原稿・コラム執筆などを行っている。

文=西山 美紀(ファイナンシャルプランナー)