みなさんは日常の買い物で、どのポイントを貯めていますか? 今回は、MMDLaboが運営するMMD研究所が、定期的に実施している「ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」の1月と7月調査結果から、最新のポイント経済圏の傾向を読み解いてみたいと思います。

みなさんは日常の買い物で、どのポイントを貯めていますか? 最近では、多くの方がポイントを意識した「ポイ活」に取り組んでおり、ポイント経済圏を賢く活用している方も多いのではないでしょうか。

今回は、MMDLaboが運営するMMD研究所が、定期的に実施している「ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」の1月と7月調査結果から、最新のポイント経済圏の傾向を読み解いてみたいと思います。

◆Vポイントの登場で順位が大きく変動

調査の対象は、いずれも18~69歳の男女2万5000人です。調査では、現在活用しているポイント(複数回答)と、最も活用しているポイント(単数回答)を聞いています。

まずは、2024年7月調査の結果を見てみましょう。

出典:2024年7月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査

活用しているポイント(複数回答)の1位は「楽天ポイント」(59.5%)、2位が「PayPayポイント」(41.0%)、3位が「Vポイント」(40.3%)、4位「Pontaポイント」(40.2%)、5位「dポイント」(38.6%)と続いています。楽天ポイントが、断トツ1位の人気を誇っていることがわかります。

また、最も活用しているポイント(単数回答)で見ると、さらに楽天ポイントの一強ぶりが際立ちます。1位「楽天ポイント」(33.7%)、2位「PayPayポイント」(14.5%)、3位「dポイント」(14.2%)、4位「Pontaポイント」(8.2%)、5位「Vポイント」(6.6%)という結果です。

◇「2024年1月調査」の結果と比べると……

これを半年前の「2024年1月調査」の結果と比べてみましょう。

出典:2024年1月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査

活用しているポイント(複数回答)の1位は「楽天ポイント」(59.3%)、2位「Tポイント」(48.3%)、3位「Pontaポイント」(40.5%)、4位「dポイント」(38.9%)、5位「PayPayポイント」(38.1%)となっています。

ここで気付くのが、Tポイントの存在です。今年、2024年4月にTポイントは三井住友カードのVポイントと統合。新たに「Vポイント」として、スタートを切りました。

その影響が順位にも表れており、今まで楽天ポイントの次に人気のあるポイントとして、その揺るぎない地位を誇っていた「Tポイント」でしたが、7月調査では(Vポイントとして)3位に転落。利用率も、48.3%から40.3%に落ちています。

一方で、もともとあった三井住友カードのVポイントとしては、統合前(1月調査)のランキング9位から、統合後(7月調査)は3位にランクアップし、利用率も10.3%から40.3%へ大幅に上昇したと見ることができます。

その代わりに2位に躍り出たのが、PayPayポイント。利用率も3ポイントアップしました。

また、1月調査の最も活用しているポイント(単数回答)では、1位「楽天ポイント」(34.1%)、2位「dポイント」(14.4%)、3位「PayPayポイント」(12.4%)、4位「Pontaポイント」(8.3%)、5位「Tポイント」(7.0%)となっています。

7月調査では楽天の次に「PayPayポイント」が2位となっており、1月調査と比べて躍進しているのがわかります。

しかし、こちらも注目すべきは「Vポイント」です。統合前のTポイントと比べると、順位も利用率の数値も落ちていますが、もともとあったVポイントとしては、1月調査の8位1.3%から7月調査の5位6.6%に上昇していることがわかります。

◆一つに絞らず、複数のポイントを貯めて使っていくのが新しい潮流になるかも!

TポイントとVポイントが統合してから初めてのポイント経済圏調査でしたが、新しいVポイントの登場は、ポイント経済圏に大きな変動をもたらしていることがわかりました。

ポイ活実践者に聞くと、以前は「楽天大好き! 楽天ポイントだけ貯めています」という人も多かったですが、最近は、「キャンペーンや利用店舗」「ECなどの還元率」を見て、最も有利なポイントをその時々で選択して、貯めるようにしている人が増えているという実感です。

私自身も三井住友カードを作り、スマホのタッチ決済で200円につき7%のVポイントが貯まるキャンペーンを愛用中。楽天ポイントをメインで貯めているものの、「Vポイント」も既に5000ポイント近く貯まっています。

貯めるポイントを一つに絞らず、複数のポイントを賢く貯めて、賢く使っていくのが今後の潮流かもしれません。

調査概要

「2024年1月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」

調査期間:2024年1月19日~1月22日

「2024年7月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」

調査期間:2024年7月5日~7月9日

有効回答:<予備調査>25,000人 ※人口構成比に合わせて回収

調査方法:インターネット調査

調査対象:<予備調査>18歳~69歳の男女

設問数:<予備調査>13問

文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)

「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。

文=酒井 富士子(経済ジャーナリスト)