JR東日本グループのJR東日本スタートアップは、高輝度蓄光技術を活用して鉄道橋の存在をドライバーに認知させ、衝突事故を抑止する実証実験を宮城県石巻市のJR東日本鉄道橋で行うと発表した。
鉄道橋の下をくぐるように道路が交差する地点において、暗闇で光る素材「高輝度蓄光ユニット」を鉄道橋やその周囲に貼り付け、ドライバーの視認性を高める実験だという。JR東日本管内にある約1万5,000の鉄道橋にて、鉄道橋を視認できない、高さ制限に気づかなかったなどの理由でドライバーが鉄道橋に衝突する事故が多く発生しており、事故の影響で運休や遅延など発生するほか、現場に点検作業に赴く労力も必要になっている。
今回の実証実験では、ベンチャー企業などから事業アイデアを募集し、優れた提案についてJR東日本グループが協業するビジネス創造活動「JR東日本スタートアッププログラム」の2023年秋の募集において、審査員特別賞を受賞したhumorous(ユーモラス)社と協業。高輝度蓄光ユニットを使用した暗闇における空間演出プロジェクト「ナイトコンシェルジュ」のオリジナルデザインを石巻市の鉄道橋に施工する。
実証現場付近の市道は昼夜ともに交通量が多く、鉄道橋の下を通過する際に1車線へと狭まるようになっている。ここに高輝度蓄光ユニットと反射材素材をハイブリットで施工することで、道が狭まる様子や、頭上に構造物が迫る様子を視覚的に演出。ドライバーへの注意喚起を行い、衝突事故防止や減速、安全運転の促進をめざす。施工はユニットを貼るだけで完了し、とくに視界が悪くなる夜間に高い効果が期待されているという。実証実験は今月から10月にかけて行う。