HTCは9月18日、VIVE Focusシリーズの新型ヘッドセット「VIVE Focus Vision」を発表した。VIVE Focus 3をベースに、ビジュアル機能を強化しており、ステレオカラーパススルーによるリアルな複合現実体験も提供する。展示会やマーケティングキャンペーン、クリエイティブワーク、空間コンピューティングといったビジネス利用、そしてカジュアルなVRコミュニケーションからハイエンドゲームまで、幅広いXR(Extended Reality)ニーズに応える。米国での価格は999ドルとなっている。
VIVE Focus Visionは、単体動作で自由に動けるインサイドアウトトラッキングによるスタンドアロンモードと、DisplayPortモードによるPCVRの両方をサポートする。
主な仕様は、SoCがQualcomm Snapdragon XR2、メモリーは12GB(LPDDR5)。内蔵ストレージは128GBで、MicroSDで最大2TBの拡張が可能である。ディスプレイの仕様はFocus 3から変更はなく、片眼2448 x 2448ピクセル(両眼4896 x 2448)の5K解像度で、視野角は最大120度。90Hzのリフレッシュレートに対応する。
統合的なアイトラッキング機能を備え、同機能を利用した自動IPD調整でレンズの瞳孔間距離が常に最適な状態に調整されるので、家族や友人、職場の同僚などと簡単にヘッドセットを共有できる。対応コンテンツでは、アバターの視線制御や視線入力などが可能となる。
前面に2つの高解像度カラーカメラを搭載する。ユーザーはヘッドセットを装着した状態で、ステレオスコピック(立体視)パススルーによる奥行き感のある自然な映像で現実世界を認識できる。これにVIVE Deskなどのツールを合わせることで、空間コンピューティングでワークスペースを拡張し、生産性を高められる。
ヘッドセットをPCのグラフィックカードに直接接続できるDisplayPortモードでは、視覚的にロスレスなグラフィックと優れた応答性のPCVRを得られる。Focus 3は主に企業ユーザーをターゲットにした製品であったが、Focus Visionではゲーマー層への浸透も狙っており、「PCゲーマーは、VRアーケードで使用されているのと同じハイエンドのヘッドセットを自宅に持ち込むことができる」とアピールしている。
Focus 3と同様にクイックリリースで簡単に着脱可能。重さを分散させるカウンターバランス・デザインになっており、背面のサポートやサイドアームの改善により、快適性と安定性がさらに向上しているという。
バッテリー動作時間は最大2時間。バッテリーはホットスワップによる交換が可能である(最大20分のスタンドバイが可能なリザーブバッテリーを内蔵する)。