近年は男性の間でも、髪の美しさに対する関心が高まっています。ただ、正しいヘアケア方法がわからず、お悩みの方もいるでしょう。
今回は、メンズヘアケアの基礎知識からヘアケアの方法、ヘアケアで気をつけることなどを解説します。また、メンズヘアケア用アイテムの選び方も紹介しますので、参考にしてください。
メンズヘアケアの基本のやり方
ヘアケアについて気になっている男性に向けて、最低限押さえておきたいヘアケアの基礎知識をご紹介します。これからヘアケアに取り組みたいとお考えの方は、以下の内容を参考にして具体的なヘアケアプランを考えてみましょう。
ブラッシング
ブラッシングは、ヘアケアにおいて基本的な要素の一つです。ブラッシングを正しく行うことで、頭皮の血流をよくして髪の毛の健康を促す効果が期待できます。
夜寝る前にブラッシングをしておけば髪の毛が絡まりにくく、シャンプーの摩擦ダメージも減らせますし、朝のブラッシングは寝ぐせ直しに効果的です。
リンス・トリートメント
リンスやトリートメントは髪の毛をなめらかにし、髪の毛を乾かした後でもツヤとなめらかさを保持するものです。また、静電気を防いで髪をまとまりやすくしたり、ブラシの通りをよくしたりする効果も期待できます。特に髪の毛のダメージが気になる場合には、油分や水分を多く補えるトリートメントの使用がおすすめです。
トリートメントには浴室内で使い洗い流すタイプの「インバストリートメント」と、風呂上がりに使う洗い流さないタイプの「アウトバストリートメント」があります。インバストリートメントは主に髪質の改善やダメージ補修、アウトバストリートメントは艶出しや髪の保護などの目的で使用するものです。
コンディショナー
コンディショナーもヘアケアに欠かせません。トリートメントが主に髪の毛内部の補修に優れているのに対し、コンディショナーは髪の毛外部の補修に効果を発揮するものです。
コンディショナーは髪の毛の表面にあるキューティクル(毛小皮)をコーティングし、髪の毛にハリやツヤを与えます。また櫛の通りをよくし、ブラッシングの効果を高める働きがあります。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージも、習慣化したいヘアケアの一つです。頭皮マッサージを行うことで、頭皮の血液循環を促し、地肌の新陳代謝やヘアサイクルの活性化が期待できます。フケや頭皮のかゆみなどの症状を防ぐためにも効果的です。
抜け毛が気になる方は、育毛剤との併用をおすすめします。髪を健康な状態に導き、抜け毛の防止や育毛効果が期待できます。
男性のヘアケア手順
ここからは、具体的なヘアケアの方法を見ていきましょう。せっかくのヘアケアも方法を間違えると、かえって髪の毛を傷めてしまうことにつながります。正しいヘアケアの手順と方法を以下に解説しますので、できることから始めてみてください。
最初のブラッシングを忘れずに行う
シャンプーで髪を洗う前には、忘れずにブラッシングをしましょう。
シャンプー前のブラッシングは、髪の毛についたホコリやフケを取り除き、髪の毛の絡まりをほぐすために行います。ブラッシングで汚れを落としておくと、その後のシャンプーが泡立ちやすくなります。
髪の毛が長めだったり、クセが強くてブラシが通りにくかったりしたら、先に毛先のもつれをほぐし、髪の根本から丁寧にブラッシングしていきましょう。
予洗いで汚れを落とす
ブラッシングをしたら、シャンプーを使わずにお湯だけで髪を洗っておく「予洗い」をしておきましょう。
シャンプーで髪の毛を洗う前に予洗いをしっかりとやっておけば、皮脂や髪の汚れの大部分を落とせ、その後のシャンプー洗浄の効果が高くなります。
シャンプーはたっぷり泡立てる
たっぷりと泡立てたシャンプーで、頭皮やフケ、髪の毛の汚れをしっかり洗い流して髪を清潔にしましょう。
【シャンプーの方法】
- シャンプー剤を両手のひらに広げて、髪全体になじませながらしっかり泡立てます。指の腹を交差させながら、生え際から頭頂部に向かって地肌をマッサージするように洗っていきます。このときに爪をたてないように注意してください。特に前頭部から頭頂部にかけては汗や皮脂で汚れやすいので、念入りに洗いましょう。
- 汚れがひどいときや、整髪料などが多くついているときはシャンプーを2回しましょう。1回目のシャンプーで全体的な汚れを落とし、2回目のシャンプーで頭皮をしっかりと洗います。
- すすぎはぬるま湯を使い、丁寧に行いましょう。すすぎが不十分でシャンプー剤が残った状態では、フケやかゆみが出やすくなってしまいます。また、髪のツヤがなくなることもあるので、すすぎ洗いも気を抜かないようにしましょう。
リンス・トリートメントで保湿する
シャンプーで髪を洗ったら、すぐにリンスやインバストリートメントを使用します。
シャンプーをすると髪の毛のキューティクルが開いた状態になります。シャンプー後すぐにリンスやトリートメントを使用すれば、潤い成分が髪の毛に浸透しやすく、キューティクルの内部補修効果が期待できます。
リンスやトリートメントは、髪の毛に塗布した後、数分間放置しておきましょう。浸透率が高まり、髪の毛に潤いが出やすくなります。
ドライヤーでしっかり乾かす
髪の毛を洗って浴室から出たら、軽くタオルで乾かしてからドライヤーをあてます。洗った髪の毛を自然乾燥させると、パサつきや広がりなどの原因になるのでおすすめできません。洗髪後の髪の毛は、ドライヤーを使って乾かしましょう。
ただし、ドライヤーで高温の風をあてすぎると、髪の毛のキューティクルが壊れやすくなります。頭皮を傷める原因にもなりますので、熱い風をあてすぎないように気をつけましょう。
アウトバストリートメントで仕上げる
髪の毛を乾かしたら、仕上げにアウトバストリートメントをしましょう。アウトバストリートメントは髪の毛の表面をコーティングするので、外部の刺激から髪の毛を守ってくれます。髪の毛にツヤを出す効果も期待できるので、髪の毛のパサつきが気になる人におすすめです。
アウトバストリートメントには、いくつかの種類があります。
- ヘアミルク:水分量が多い
- オイルトリートメント:ツヤ出し効果が高い
- ミストトリートメント:手を汚さずに使いやすい
最初はいろいろ試してみて、自分に合ったものを探すとよいでしょう。
メンズヘアケアに効果的な頭皮マッサージ
ヘアケアのメニューにぜひ取り入れたいのが、頭皮を中心としたヘッドマッサージです。ヘッドマッサージをすることは細胞の新陳代謝を促進し、血液の循環をよくすることにつながります。頭皮の状態を良好に保ち、髪の毛が生え変わるヘアサイクルを整えるためにも効果的です。
頭皮マッサージに効果的なタイミング
頭皮マッサージを行うには、洗髪の後がベストなタイミングと言えます。髪の毛を洗った後は頭皮が柔らかくなっており、マッサージ効果がより高まるためです。
お風呂上がりに時間がない場合には、シャンプーの最中や入浴中にマッサージをしてもよいでしょう。自分の習慣やスケジュールに合わせて、頭皮マッサージを無理なく続けられるように工夫してみてください。
頭皮マッサージの方法
頭皮マッサージにはさまざまなやり方がありますが、ここからは簡単にできるマッサージ方法のポイントをご紹介します。
- 基本として爪はたてず、指の腹で頭皮全体を包み込むようなイメージでマッサージを行う。
- 最初に両手の指の腹を使って、頭皮を動かすようにマッサージする。
- 頭皮がほぐれてきたら、両手の指の腹で頭皮を軽くつまみ、はずみをつけるようにして指を離す。
今回ご紹介したマッサージ方法は、入浴中でも入浴後でもシーンを選ばず手軽にできるので、ぜひ実践してみてください。
頭皮マッサージに使えるアイテム
頭皮マッサージは頭皮を柔軟にし、毛根の新陳代謝を促します。頭皮マッサージをするときにヘアトニックや育毛剤などを使用することで、頭皮の環境を整え、抜け毛予防や育毛効果も期待できます。
地肌がベタベタする場合にはヘアトニックを、逆に地肌の乾燥が気になるようならスカルプトリートメントを使用しながらマッサージを行いましょう。抜け毛が気になる場合には育毛剤の使用も検討してみてください。
男性のヘアケアで気をつけること
いくら丁寧にヘアケアを実践していても、髪にダメージを与えるNG行為をしていたら、せっかくのケアが無駄になってしまいます。
ここからは髪の毛によくないNG行為をご紹介します。自分でも知らず知らずのうちにNG行為をしていないか、チェックしてみましょう。
髪のダメージは放置しない
髪の毛は、熱や紫外線などにより日々ダメージを受けています。これらのダメージを放置せずにケアしていくことが、髪の毛を健康に美しく保つことにつながります。
特に頭頂部から生えている髪の毛は、太陽からの紫外線のダメージを蓄積しやすい状態です。屋外では帽子をかぶったり、紫外線をカットするスプレーを使用したりして対策しましょう。
長時間のドライヤーやヘアアイロンなどの熱も髪の毛を傷めてしまいます。髪や頭皮の1カ所だけに風をあてないようにして、なるべく短い時間ですむように調整が必要です。
さらに、カラーリング剤やパーマ液も髪の毛を傷める原因になります。できるだけ髪の毛に対するダメージが少ないものを選び、使用した後にはしっかりトリートメントをして、髪の毛のダメージをケアしておきましょう。
朝のシャンプーは控える
朝に起床してからシャンプーをする行為は「朝シャン」と呼ばれ、一時期流行したこともありました。しかし朝シャンは、ヘアケアの観点ではあまりおすすめできません。
朝にシャンプーをすると、洗い流された皮脂が新たに分泌される前に外出することになります。その場合、頭皮が皮脂で保護される前に紫外線などの外部刺激を受けてしまいます。髪の毛の土台になる頭皮を守るためにも、シャンプーは寝る前に済ませましょう。
タオルで髪を強くふかない
シャンプー後の髪の毛をタオルでゴシゴシと強く拭く行為は、髪の毛にとってよくありません。洗髪後の濡れた髪の毛は、キューティクルが不安定になっています。そのような状態の髪の毛をゴシゴシと拭いてしまうと大きな摩擦が発生し、キューティクルが剥がれてしまうことになります。
シャンプー後にタオルドライをするときは、髪の毛をタオルで優しく包み込み、軽く押さえるようにして水気を拭き取りましょう。
乾燥はドライヤーを使う
髪の毛を洗った後の自然乾燥もヘアケアではNGな行為です。濡れた髪の毛をそのまま放置することは、枝毛や縮れの発生につながります。髪の毛を洗った後は、ドライヤーを使ってしっかり髪を乾かしましょう。
ドライヤーの風もあてすぎると髪の毛によくないので、タオルドライでおおまかな水分をとっておきます。手ぐしで髪をときながら、髪の毛の根本に重点的に風をあててください。常に風の温度を確認して、髪や頭皮が熱くなりすぎないように注意しましょう。
医師がアドバイス! 男性のヘアケア時の注意点
医療法人 友広会 AGAメディカルクリニック・大美会クリニックの金仁星医師は「自宅でのヘアケアは大切ですが、過度なケアは逆効果になる可能性があります」と警鐘を鳴らしたうえで、「シャンプーの回数や頭皮マッサージの強さは個人の頭皮の状態に合わせて調整することが重要です。また、頭皮に異常を感じた場合は、自己判断せずに専門医に相談することをお勧めします」とアドバイスを送ってくれました。
メンズヘアケアアイテムの選び方
市販されている数多くのヘアケア用品の中から、自分に合ったアイテムを見つけるのは大変です。また、ヘアケアアイテムを選ぶのに迷ってしまい、なかなか決められない方もいることでしょう。
ここからは、メンズヘアケアアイテムの選び方を解説します。自分の髪質や肌の状態に合ったアイテムを使うことが、髪を健康で美しく保つ近道になります。
シャンプー
メンズヘアケア用にシャンプーを選ぶ場合は、仕上がりや使い心地を重視しましょう。シャンプーは、シリコン成分の有り無しで仕上がりが変わってきます。シリコン入りはしっとりまとまりやすく、ノンシリコンはサラッと軽く仕上がる傾向があります。
また、泡立ちのよさなどの使用感もシャンプー選びの基準になるので、迷ったときは使用感も加味して選びましょう。
トリートメント
トリートメントを選ぶ際は、髪の毛のダメージ具合を参考にしましょう。枝毛や切れ毛が多い場合には、トリートメント効果が高いアイテムがおすすめです。あまりダメージが強くないようでしたら、ヘアミルクのように軽いつけ心地で、気になるときに使えるアイテムが便利です。
コンディショナー
コンディショナーは、髪質に合わせて選びましょう。髪の毛がベタつきがちな人には、皮脂対策成分が含まれたコンディショナーがおすすめです。反対に乾燥しやすい髪質の人は、保湿成分が含まれているコンディショナーを選びましょう。
コンディショナー選びに迷った際は、香りにも注目してみましょう。男性の髪には甘い香りよりも、ムスクやフレッシュアロマのような上品な香りがおすすめです。
医師がアドバイス! 男性のヘアケアアイテム選びのポイント
金医師は「ヘアケアアイテムを選ぶ際は、自分の髪質や頭皮の状態を正しく把握することが大切です」と指摘。そのうえで、「成分表示をよく確認し、自分に合った製品を選びましょう。新しい製品を使用する際は、まず少量で試してみて、頭皮や髪への反応を確認することをお勧めします。効果が感じられない場合は、使用を続けるか専門家に相談するのもよいでしょう」(金医師)。
メンズヘアケアで男性も髪を美しく!
従来の男性のヘアケアと言えば、薄毛対策や育毛を指すことがほとんどでした。しかし、近年になって男性の美容意識が高まるにつれ、髪の毛の質や美しさを気にするケースが増えてきています。
もはや、ヘアケアが女性主体であった時代は終わりつつあるといえます。これからは男性も積極的にヘアケアをして、清潔感のあるきれいな髪をアピールしましょう。
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