京都といえば「はんなり」という言葉を連想する人も多いだろう。京都旅行のガイドブックにも多用されている、京都ならではの形容詞だ。
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実際に京都を歩いてもあちこちで見かける言葉だが、そもそもどういう意味なのか?京都の街で聞いてみると「やわらかい穏やかなイメージ」「ミステリアスも入ってる」「掴みどころのない」「美しい物」などなど、京都府民も意外にバラバラだった。
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中には「他府県の人が食いつく」「キラーワード」だとドライに言う人もいる。観光客にアピールするためにわざと使っている?
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だがバスには「はんなり運転」のステッカー、警察では相談に「はんなり対応します」とあり、京都市民相手にもやたら使ってるじゃないか。

ちりめん山椒のお店では、濃口、薄口の中間的な味として「はんなり」と書いてある。

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何がはんなりかを聞くと「そこがねえ・・・」曖昧じゃない?

「そもそもはんなりが何かわかってないかもしれない。何となく感覚で言ってる。」と本音を言う京都府民もいた。「僕も教えてほしい!」だって。なんだ、京都の人たちも意味がわかってないのか!

京都先端科学大学の丸田博之特任教授によると「はんなりの語源は、花なり、です。花そのものだけではなく、明るい陽気な、という意味で使われていました。」

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え?明るく陽気?イメージしていたのと違うよ!

「能が室町時代に盛んになり、はんなりが能の衣装にも影響するようになり、着物や工芸品の色合いに使われるようになりました。」着物に使う?人には使わない言葉だったらしい。

呉服屋さんで、はんなりした柄を見せてもらうと、真っ赤なものを見せながら「華やかさがあり、品もあります。」と説明。

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「はんなり」からイメージするのとずいぶん違うぞ!

お茶屋さんの女将さんによると「私らは色に、はんなりした色やなあ、などと使います。」とやはり「色」に使う言葉だと言い、「この頃は人にも使わはる、のかなあ?」と疑問形でおっしゃる。「よう知らん人がええように使てはるんやなあ」とやんわりと厳しいコメントもいただいた。

着物などの色や柄についての言葉「はんなり」がどうして京都らしさの言葉になっていったのだろう。

先ほどの丸田教授が解説してくれる。「1970年に大阪万博があり、京都観光も増えました。その時に京都のイメージを宣伝する時に、はんなりを多用したので、京都=はんなりのイメージが定着していったのです。」今の使われ方は最近のことらしい。

「はんなり」の本来の意味は陽気で明るいという意味だった。これを野球帽を被った、陽気そうな京都女子二人に伝えると「はんなりやん!知らんかった!」と互いを指さして盛り上がっていた。

とはいえ、言葉は時代によって変わるもの。人によって違うけど、なんとなく我々が持っている「はんなり」のイメージも間違ってるわけではない。でも、意味は説明できないねえ・・・