ちりめん山椒のお店では、濃口、薄口の中間的な味として「はんなり」と書いてある。
「そもそもはんなりが何かわかってないかもしれない。何となく感覚で言ってる。」と本音を言う京都府民もいた。「僕も教えてほしい!」だって。なんだ、京都の人たちも意味がわかってないのか!
京都先端科学大学の丸田博之特任教授によると「はんなりの語源は、花なり、です。花そのものだけではなく、明るい陽気な、という意味で使われていました。」
「能が室町時代に盛んになり、はんなりが能の衣装にも影響するようになり、着物や工芸品の色合いに使われるようになりました。」着物に使う?人には使わない言葉だったらしい。
呉服屋さんで、はんなりした柄を見せてもらうと、真っ赤なものを見せながら「華やかさがあり、品もあります。」と説明。
お茶屋さんの女将さんによると「私らは色に、はんなりした色やなあ、などと使います。」とやはり「色」に使う言葉だと言い、「この頃は人にも使わはる、のかなあ?」と疑問形でおっしゃる。「よう知らん人がええように使てはるんやなあ」とやんわりと厳しいコメントもいただいた。
着物などの色や柄についての言葉「はんなり」がどうして京都らしさの言葉になっていったのだろう。
先ほどの丸田教授が解説してくれる。「1970年に大阪万博があり、京都観光も増えました。その時に京都のイメージを宣伝する時に、はんなりを多用したので、京都=はんなりのイメージが定着していったのです。」今の使われ方は最近のことらしい。
「はんなり」の本来の意味は陽気で明るいという意味だった。これを野球帽を被った、陽気そうな京都女子二人に伝えると「はんなりやん!知らんかった!」と互いを指さして盛り上がっていた。
とはいえ、言葉は時代によって変わるもの。人によって違うけど、なんとなく我々が持っている「はんなり」のイメージも間違ってるわけではない。でも、意味は説明できないねえ・・・