テレビ画面を注視していたかどうかがわかる視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、パリ五輪のメダリストらが出演したテレビ番組から視聴者が画面にくぎづけになった注目度の高いアスリートを調査した。
レスリング鏡優翔の金メダルにくぎづけ
分析の対象としたのは、パリ五輪閉幕直後の8月12日~17日の間に、地上波(関東)プライム帯で放送された五輪関連特番。結果、NHKの『パリオリンピック2024総集編』が、個人全体注目度で71.5%を獲得し、見事1位に輝いた。男性注目度も72.5%で1位、女性注目度も70.5%で1位と、男女ともに高い注目を集めたことが分かる。
番組の毎分波形を見てみると、同番組の中で最も注目度が高かったのは20時33分に放送されたレスリング女子76キロ級決勝での鏡優翔選手の金メダル獲得シーン。この瞬間、視聴者の注目度は81.8%に達し、多くの人々が鏡選手の勝利に再びくぎづけになった。
女子レスリング最重量級で日本初の金メダル獲得という快挙に加え、SNS上で大きな話題となったのは、笑顔を見せる度に「カワイイ!」と記されたマウスピースが画面に映し出された場面。強さとかわいらしさを兼ね備えた鏡選手の魅力が、多くの人々の記憶に深く刻まれたシーンとなった。
ブレイキンAMI、レスリング文田、やり投げ北口にも注目
2番目に高い注目度80.5%を記録したのは、ブレイキン女子決勝でのAMI選手の表彰式と、男子グレコローマンスタイル60キロ級での文田健一郎選手の金メダル獲得後のインタビューシーン。総集編で改めてAMI選手が初代女王の座に輝いた瞬間が映し出されると、視聴者の注目度は急上昇。表彰式でのAMI選手の晴れやかな笑顔や、対戦相手NICKA選手と健闘を称え合う心温まるシーンは、ブレイキンというスポーツの魅力を改めて視聴者に印象付けた。
一方、文田選手が成し遂げた、日本人40年ぶりの男子グレコローマンスタイルでの快挙も、多くの視聴者の心をつかんだ。インタビューでの彼の表情には、東京オリンピックでの銀メダルから悲願の金メダルへと至る苦難の道のりと、それを乗り越えた達成感があふれていた。その姿に、多くの人が感動を覚えたことだろう。
3番目に高い注目度を獲得したのは、女子やり投げ決勝での北口榛花選手の授賞式。日本の女子選手が五輪の投てき種目で表彰台に立つのは史上初めて。その重圧の中で歴史に名を残した北口選手は、授賞式で大きく手を広げて表彰台に上がり、涙と笑顔が入り混じる感動的な表情を見せていた。
番組全体を通して、五輪のハイライトシーンや感動的な瞬間が放送されるたびに、注目度は大きく上昇。『パリオリンピック2024総集編』は、単なる試合結果の羅列ではなく、アスリートたちのドラマや感動を詰め込んだ、まさに「総集編」と呼ぶにふさわしい番組だったと言えるだろう。