東京ビッグサイトで8月29日から9月1日まで開催された「東京おもちゃショー2024」(主催 : 一般社団法人日本玩具協会)。国内外の192社が約3万5,000点のおもちゃを展示し、業界関係者・一般来場者らの注目を集めた。
鉄道おもちゃにおいては、タカラトミー「プラレール」がやはり大きな人気を誇っているが、他にもさまざまなメーカーの手がける商品を見ることができた。当記事では、各メーカーが発売している、または今後発売予定の鉄道おもちゃを見ていく。
ダイキャストモデルで横浜線、プルバックトイにギミックも
Nゲージサイズ(150分の1スケール)のダイキャストモデルを多数販売しているトレーンからは、新商品「E233系6000番台 横浜線」(価格1,760円)が発売中。グリーン2色のラインを再現しつつ、前面窓下と、側面のライン中央に「YOKOHAMA LINE」のロゴを印刷した。この印刷がかなり細かく、側面のロゴはラインの色味によって見づらくなるため、ラインの色味とロゴの見やすさの両立に苦労したとのことだった。
「横須賀線・総武快速線 3世代大集合セット」(価格5,478円)は4月に発売された。113系1000番代、E217系、E235系1000番代の先頭車両が1両ずつ入ったセットで、飾り用レールも3本付属。横須賀線色の113系とE235系はこのセット限定で、過去に単品販売のあったE217系も、現在はこのセットでのみ入手できる。
Nゲージの線路に載せられるプルバック鉄道トイ「プルプラ」を手がける国際貿易は、「プルプラDX」として蒸気機関車D51形とE5系・E6系の商品サンプルを展示した。可動ギミックを組み込んでいる点が、従来の「プルプラ」と異なる。
D51形は、JR東日本の「SLみなかみ」で使用されるD51形498号機と、JR西日本の「SLやまぐち」で使用されるD51形200号機をプロトタイプに設定。2機で異なる金帯の塗り分けや、副灯、無線アンテナなどの違い、それぞれのヘッドマークも再現した。走行させるとロッドが動くギミックも付いている。どちらも2025年春発売予定。予価1,800円。
E5系は単品販売と「E5系はやぶさ&E6系こまちセット」の2種類が存在し、E6系はセット販売のトレーラー車のみとなる。これらは先頭部の連結器カバーが開閉し、カバーを開けた状態で連結できるようになっている。動力はE5系に搭載されているので、連結させた状態でプルバックで走行可能。E5系単品は予価1,800円。E5系・E6系セットは予価3,800円。どちらも2025年春発売予定。
西九州新幹線のN700S「かもめ」も「プルプラ」として商品化されており、こちらは2024年中に発売予定(予価1,500円)とのこと。東海道・山陽新幹線のN700Sより外観の装飾が細かいが、的確に再現されていた。
ポポンデッタ「MOKU TRAIN」、マスダヤ「パネルワールド」の新商品
鉄道模型専門店のポポンデッタが手がける木製鉄道トイ「MOKU TRAIN」も2年ぶりに出展された。日本の鉄道車両を題材にした木製玩具で、車両同士は磁石で連結するしくみに。木材・塗料は国際基準の安全検査に合格している。木製レールは一部例外を除き、世界共通規格となっているので、他社製の木製レールでも「MOKU TRAIN」で遊べるという。
近日発売予定の新商品は、相模鉄道21000系、東京メトロ千代田線16000系、新幹線500系の3種類。いずれも価格は2,398円。N700Sや小田急ロマンスカー・MSE(60000形)、東急電鉄5050系のように、同じ路線を走行している車両も発売中のため、好きなように組み合わせて楽しめるだろう。
他にも発売中の商品が多数展示された。新幹線のE5系と「ドクターイエロー」はやはり人気商品のツートップだが、意外にも電気機関車EF210形のコンテナ貨物編成がナンバー3の人気だという。新発売のEF65形503号機・石油タンク貨車も好評とのこと。
線路を敷いた展示では、E5系・E6系の連結編成が見られたほか、実車のデビューから1年を迎えた「スペーシアX」(東武鉄道N100系)も。小さなこどもも見たことのある車両が、実車のデザイン性はそのままに、ゆるくアレンジした木製玩具として商品化されているので、鉄道を通した知育に適しているだろう。取扱店がわからなくても、ポポンデッタに行けば良いという点もありがたい。
増田屋コーポレーション(マスダヤ)が展開している「パネルワールド」もチェック。「パネルワールド」は溝の彫り込まれたパネルを2枚以上つなげ、列車を走行させて遊ぶ玩具となっている。駅や鉄橋など構造物を設置するパネルもあるが、基本的にパネルは薄く、片づけもしやすい。これらのパネルをこどもたちが自分で考え、組み替えることにより、考える力を育む知育要素もある。車両の走行には単4形乾電池1本が必要となる。
8月24日に「走る! 成田エクスプレス」「走る! 485系特急つばさ」(ともに価格3,080円)が発売された。「成田エクスプレス」は塗装変更前のカラーリングを再現。485系は大人も懐かしくなりそうな国鉄特急色をデザインしている。パネルのデザインとコースはどちらも同じなので、好きなほうを選んで遊ぶと良いだろう。
9月14日には、「走る! 京成スカイライナー」(価格3,080円)も発売予定。「京成パンダ」と、京成沿線の名所をイメージしたイラストがにぎやかなパネルを「スカイライナー」AE形が走行する。実車は成田スカイアクセス線を最高速度160km/hで高速走行するが、それがパネルの上を縦横無尽に駆け回るところに、おもちゃとしてのかわいらしさが垣間見える。
0系とD51形にコースパネル20枚の入ったセットが「パネルワールドDX II」(価格6,600円)として10月12日にリニューアル予定。コースパネルデザインを一新し、前回の商品にはなかった「ストップ&ゴー」パネルも追加。このセットだけで0系とD51形が駅に停車できるようになる。
その他、「くまモン」をあしらった路面電車でパネル走行を楽しむ「走る! くまモンバージョン」(価格3,300円)も10月12日発売予定で、監修が進められている。2025年1月に「ドクターイエロー」T4編成が引退することを受け、「ドクターイエロー」2世代(922形・923形)の「パネルワールド」も緊急発売が決定した。こちらも10月12日発売予定で、版権元監修中とのこと。
既存ラインナップも引き続き全国のおもちゃショップ等で販売されている。「鉄道甲子園」オンラインショップで限定商品も発売され、大阪環状線や山陽電気鉄道などの車両を「パネルワールド」で楽しめるようになっている。ブースの一角に発売中の商品が並んだショーケースの展示も。意外なものでは、京急電鉄2100形や東武鉄道500系「リバティ」などの私鉄車両も商品化されていた。
「サウンドトレイン」にN700S登場、プラレールの消しゴムも
今年、東海道新幹線が開業60周年を迎えることを受け、乗り物玩具メーカーのトイコーから、7月9日に「サウンドトレイン N700S」(価格4,070円)が発売された。屋根上にある4つのボタンを押すと、警笛や「会いにいこう」の車内チャイム、アナウンスを再生できる。レバーをスライドさせることでドアの開閉も可能。音声と連動してヘッドライトも点灯する。ライト・音声に必要な単3形乾電池2本も商品に付属。既存ラインナップの「サウンドトレイン」や、Nゲージの線路を走行可能なボールペン「ペントレイン N700S新幹線」も引き続き販売されている。
玩具・雑貨メーカーのワンダーランドは、「消しゴムプラレール」を2022年に発売している。N700S、E5系、E6系、「ドクターイエロー」という4種類のラインナップで、プラレールの足回りとなる2軸の車輪や、屋根上のスイッチも再現。まさに実車というよりプラレールをミニチュア化したような消しゴムになっている。それぞれに直線レールも1本ずつ付属し、つなげることができる。
名前の通り、車両・レールのどちらも消しゴムでできているため、文具として使えば本当に鉛筆の文字を消すことができる。ひとつひとつ箱に入っており、サイズも小さめなので、消しゴムとして使わずに飾っておいても良いだろう。価格は各350円。余裕があれば、実用・保存用にひとつずつ、というのも悪くないかもしれない。
その他、大阪のおもちゃメーカー、ムラオカはプルバック鉄道トイ「走れ! 新幹線」「走れ! パンダくろしお『Smile Adventure Train』」など引き続き販売中。500系「ハローキティ新幹線」もプルバックトイになっている。学研ステイフルで昨年発売した「プラレールと遊ぼう! Gakkenニューブロック」シリーズも引き続き発売中。学研の「ニューブロック」をプラレールと組み合わせることで、より独創的な情景を作って遊べるだろう。
いずれも玩具専門店・量販店玩具コーナー等で取り扱われているが、場合によっては主要駅やホビーショップで見つかる可能性もある。近隣のショップや通販サイトなどチェックしてみてほしい。