シャープは9月3日、プラズマクラスター加湿空気清浄機の新モデル「KI-TX100」と「KI-TX75」を発表しました。

新製品は業界で初めて空気中の粒子の「数」まで表示。この情報をもとに、食品工場のクリーンルーム並みの空気環境を目指す運転を行います。発売日は9月12日、価格はオープンで市場推定価格はKI-TX100が148,000円前後、KI-TX75が98,000円前後です。

  • 新製品のプラズマクラスター加湿空気清浄機KI-TX100(写真右)とKI-TX75(写真左2台)

業界で初めて「空気中にただよう粒子の数」をカウント

新製品はシャープの加湿空気清浄機のフラッグシップモデル。両製品ともに機能は同じですが、KI-TX100は適用床面積約46畳で最大風量10立方m/分、KI-TX75は適用床面積約34畳で最大風量7.5立方m/分と空気清浄能力に差があります。

  • 最上位モデルのKI-TX100。カラーはグレー系で、フロントパネルには自然石のような模様があります。本体サイズは幅427×奥行305×高さ700mm、重量約14kg

  • プレミアムモデルのKI-TX75はホワイト系とグレー系の2色展開。本体サイズは幅395×奥行265×高さ650mmで重量約12kg

新製品はさまざまな情報が表示できる「AIモニター」を搭載。なかでも特徴的なのが、空気中の汚れ(粒子)の数を表示する機能です。

いままでも「空気の汚れ」を表示できる空気清浄機はありましたが、これらは空気中の汚れの「濃度」を表示するものがほとんど。シャープによると、新製品のように空気中に浮遊する汚れの「数」を数値化できる空気清浄機は国内向けの家庭用製品としては業界初なのだそうです。

ちなみに、AIモニターが表示するのは空気1Lあたりの1μmサイズ粒子の数。空気中の粒子数を表示させることで、より直感的に空気の質がイメージしやすくなりました。

  • シャープ独自のアルゴリズムで空気中に漂う1μmレベルの粒子の数を表示。1μmといえば細菌レベルの極小サイズです

もうひとつの進化が、空気の質の判定レベルです。シャープのプレミアム空気清浄機は、以前からセンサーで空気の汚れを検知。空気が一定以上汚れていると判断すると、自動的に風量をアップさせて部屋の空気をキレイにしていました(自動運転時)。

従来製品は粒子数が約8,000個/Lレベル以上の汚れで運転モードを切り換えていましたが、新製品の「AI AUTO」運転では約800個/Lレベル以上で運転モードが切り替わります。つまり「空気が汚れている」と判断するレベルが従来の約10倍厳しくなり、かつ粒子数にあわせて運転をより細かく制御できるようになっているのです。

  • AI AUTO運転では空気中の粒子数で風量を切り替え。ちなみに約800個/Lというのは食品工場などで求められるクリーンルーム規格Class8とほぼ同等のレベルです

面倒な加湿フィルターの掃除を少しだけ自動化

新製品のKI-TX100/TX75は加湿機能を搭載した空気清浄機です。そして加湿空気清浄機の最大の問題点といえるのが「加湿フィルターメンテナンスの面倒さ」ではないでしょうか? 一般的な加湿フィルターは常に水に浸っているいるため、定期的なお手入れをサボると雑菌が繁殖したり、汚れが付着してしまうのです。しかしシャープのロータ式(回転式)は適湿時は浸からない位置で停止する点も特徴。

  • KI-TX100の加湿ユニット部。加湿トレーから水を吸い上げたフィルターに風を当てると、フィルターの水分が気化して空気を加湿します

  • 長期間掃除せずに使用し続けた加湿フィルターの汚れの推移

一般的な加湿空気清浄機の加湿フィルターのメンテナンス目安は1か月に一回前後。フィルター部は基本的に水洗いでOKですが、汚れやニオイが落ちない場合はクエン酸を溶かした水にフィルターを数時間つけおきして洗う必要があります。

ただし、つけおき洗いをするとなると、フィルター全体を浸すことができる大きさの容器が必要。もちろん、つけおき洗いをするための場所も確保しなければなりません。

そこで、新製品は新機能として「加湿内部洗浄」機能を搭載。加湿トレーにクエン酸溶液を入れてボタンを押すと、加湿フィルターが回転して空気清浄機のなかで「つけおき洗い」ができるという仕組みです。

つけおき洗い後に自分でフィルターをすすぐ必要はありますが、わざわざつけおき用の容器を用意する必要がなくなりました。

  • 内部洗浄ボタンを押すと、画面に洗浄手順がわかりやすく表示されます

  • 加湿トレーも、従来モデルより凹凸がやや少なくなりました。少しだけ洗いやすくなっています

今回の記事では新製品と従来モデルとの違いをメインに紹介しましたが、KI-TX100は高性能なHEPAフィルターに活性炭と無機吸着剤で構成された「ガスもと~る 脱臭フィルター」でしっかり空気を清浄化。

もちろんシャープならではのイオンによる空気浄化技術「プラズマクラスター」も搭載。イオン濃度50,000個/立方cmという高濃度の「プラズマクラスターNEXT」に対応しています。

  • 左からKI-TX100の静電HEPAフィルター、ガスもと~る 脱臭フィルター、プレフィルター

もともとシャープの空気清浄機は空気清浄能力の高さで評価の高い製品です。これからの季節に向け、ウイルス対策などで空気清浄機の購入を考えている人や、従来の加湿空気清浄機のメンテナンスに面倒さを感じている人は、一度本製品をチェックしてみてはいかがでしょうか?

【お詫びと訂正】初出時、加湿時の適用畳数および加湿フィルター説明の一部に誤りがあったため、該当箇所を修正しました。お詫びして訂正いたします。(2024年9月5日)