女子高生たちにも聞くと「湿気が多くて髪の毛がもわ〜。マジ爆弾」と、湿気が多い生活を憂いている。
そしてあちこち聞いて回ると、多くの人が「弁当忘れても傘忘れるな」という言葉があると語ってくれた。
「朝晴れていたので窓を開けて家を出たらバーっと雨が降って家に帰るとビシャビシャ」だから傘を忘れてはならない。
石川県では、なぜ頻繁に天気が変わるのか?
テレビ金沢の「なるほど週末天気」で県民にはお馴染みの気象予報士、小野和久さんによると「日本海一面に冬場発生するすじ状の雲があり、雲と雲の間に切れ間があります。この切れ間が通過するときに雨や雪が止んで晴れ間が出る。次に雲がやってきたらまた降り出す。」なるほど、だから天気が変わりやすいのか。「晴れの日が週間予報に1日あっても非常に嬉しくなります。」と小野さんはおっしゃる。
雨が多い最大のデメリットが「洗濯物が乾かない」ことだ。あるご家庭に行くと2畳ほどの空間に洗濯物がギチギチに干されている。この部屋は何ですか?ベランダに干さないの?「洗濯物部屋になります。ベランダはないです。」えー?ベランダないの?
「いつ雨が降るかと心配なので、外で干したことは一回もないです。」石川県では、除湿機全開の洗濯物部屋がスタンダードらしい。
「僕、晴れ男なんで晴れさせました。」ドヤ顔で晴れと彼氏さんは言うが、空はほとんど雲に覆われている。くもりではないのか?
「あそこに太陽がいる限り晴れです。」雲を透けて白く見える太陽を指して言う。
「雨さえ降ってなければ基本的に晴れです。」堂々と言ってのける彼氏さんだが、いやこれはくもりです。
そこで金沢の皆さんにくもり空の写真を見せると「晴れっすね」「間違いなく晴れ」と言ってのける。
青年たちは「大学東京やったんすけど、こんなに晴れるんや!と思いました。」「東京に行ったとき、電車の数の多さと晴れの多さにびっくりした。」と、東京の晴れに驚いたそうだ。
なにしろ石川県の快晴日数は年間たったの14日で残りは雨かくもり。晴れとくもりに差がないようだ。
それほど雨が降ることにも、メリットがある。
まず先ほどの片町の女子たちが言うのが、「肌が潤います。」「乾燥することない。」お肌にはいいらしい。実際、美肌県グランプリで石川県が日本一に輝いている。
そして湿度がいつも70%前後なので、静電気が大敵の金箔工芸にとっていい環境。輪島塗で使う漆の乾燥にも最適だ。加賀の伝統工芸は雨の多い天気の賜物なのかもしれない。
片町の女子は「雨が降った後、空を見たら虹がかかっている。それを見て幸せになる。」とうっとりする。
晴れ男の彼氏さんも「雨は憎めない。石川は雨が似合う。夜の金沢城の前を車が通るライトで雨が照らされる光景が好き。」と言う。
子どもたちも「晴れが続くと、最近雨が降ってないなと寂しくなる。」「雨はいつも隣におる。雨は友達。」なんて言うからジーンとする。