日本テレビ系大型特番『24時間テレビ47』(8月31日18:30~9月1日20:54)では、「サライの生みの親 谷村新司さんが音楽で伝えたかった想い」企画に、堀内孝雄と武田鉄矢が登場した。
アリス結成の1972年から、ともに数々の名曲を世に送り出した堀内は「いろんな想いをたくさん我々に残してくれた」と語り、若かりし日から親交の深い武田は「26歳ごろ、生活が苦しかった時にこの人(谷村さん)から“うちの事務所にこないか”と誘ってもらった。社長にかけあって初任給の値段まで交渉してくれた」と感謝の想いを言葉にした。
昨年10月に74歳でこの世を去った谷村さんは、長きにわたり、音楽を通してチャリティーに熱心に取り組んでいた。1995年、阪神大震災のときにはアリス発足の地である神戸で復興ライブを決行、集めたお金で被災地の子どもたちにギター500本を贈ったことも話題になった。2011年の東日本大震災の際にも、雨が降ろうとトラックをステージに歌い続けた。
そして、谷村さんといえば「サライ」の生みの親。1992年の『24時間テレビ』で、視聴者から集まった歌詞を集めて曲を完成させる、という企画の中で生まれた曲だ。番組には9,000通もの歌詞が届き、谷村さんは無謀な挑戦ではと思いもしたそうだが、それでも頑張れたのは、ともに歌を作った憧れの人、加山雄三さんへの想いだったという。
曲につけたタイトル「サライ」の意味は、ペルシャ語で、砂漠で出てくるオアシスや宿のこと。イメージとして、「故郷(ふるさと)」と見立てたのだそうだ。
大きな想いをのせて完成した名曲は、番組のエンディングで出演者全員の合唱により視聴者に届けられ、それから32年、『24時間テレビ』で歌い継がれている。
メイン会場の東京・国技館では、堀内と武田が、集まった歴代チャリティマラソンランナーたちも迎えて「サライ」を熱唱。歌い終えた堀内は、モニターに映された谷村さんに向かって「みんな、拍手! ありがとうチンペイ(谷村さんの愛称)」と呼びかけ、万雷の拍手でステージを締めくくった。
【編集部MEMO】
総合司会の水卜麻美アナウンサーは、今年のテーマ「愛は地球を救うのか?」を発表するにあたり、「これまで『24時間テレビ』を見てくださった方、寄付をしてくださった方、『24時間テレビ』で自分の思いを伝えたいとその場を選んでくださった方、笑顔で参加をしてくださった方、そして、チャリティーの支援を受け取ってくださった方、皆様のことが今思い浮かんでいます。私も10年総合司会を務めてきまして、そういった方々がこの『24時間テレビ』を作ってくださっていたんだなずっと思ってきました。しかし、こういった皆様の信頼を裏切るようなこと(=寄付金着服)がありました。本当に申し訳なく思っていますし、心苦しく思っています」と改めてお詫びした上で、「でもだからこそ、この皆様が作ってくれた『24時間テレビ』を、私たちは続けたいです。『24時間テレビ』で信頼を取り戻せるよう必死に考えて伝えてまいりたいと思っています」と決意を語っている。