7日放送のカンテレのドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント』(毎週土曜14:57~※関西ローカル)では、道頓堀川に迫る「シン・道頓堀川」を届ける。

  • 千原兄弟=カンテレ提供

■水質が改善された道頓堀川を調査

多い時で1日10万人が訪れる大阪の道頓堀に流れる道頓堀川は、過去に飛び込んで体調不良になる人が続出したり、基準の最高170倍の細菌が発見されたりと、汚い・臭い・危険だというイメージが根強い。しかし令和を迎え、そんな道頓堀川の水質が大きく改善しているという。その実態を解き明かすべく、かつて心斎橋筋2丁目劇場で活躍し、道頓堀川の近くで青春時代を過ごしてきた千原兄弟が全面協力。千原ジュニアが潜水し、身体を張って前代未聞の調査を行う。加えて、カンテレ取材班による約100時間に及ぶ水中撮影など、さまざまな方法から謎のベールに包まれた道頓堀川の真実に迫る。

まずは、カンテレに残されている、道頓堀川をめぐる膨大な記録を千原兄弟に見てもらう。1966年に放送されたドキュメンタリーで「道頓堀は、非情の川。ありとあらゆるゴミが漂い、投身しても水死することなく、窒息死。ボウフラもわかぬ黒い水」と紹介されていた。1960年代、高度経済成長期に工場排水や下水が流れ込み、道頓堀川は“街のゴミ箱”に。それから半世紀、阪神優勝やサッカーW杯で飛び込んだ人が体調不良になったり、川底から大量の自転車が引き揚げられたりと、道頓堀川はすっかり危険なイメージが定着した。

しかし、カンテレ取材班が専門家に調査を依頼したところ、近年、道頓堀川の水質が改善していることが判明する。その分析結果によれば、今の道頓堀川は、きれいな水を好むことから“清流の女王”と呼ばれるアユも棲める水質基準だという。この水質改善の知らせを受けた地元商店街のメンバーは「道頓堀川にアユ!?」と半信半疑。その真実を確かめるべく、千原兄弟が地元商店街のメンバーとともに、清流・四万十川などに伝わる伝統漁法“柴漬け漁”で生き物の捕獲を試みるなど、道頓堀川の中を徹底調査する。すると、現在の道頓堀川に従来のイメージをくつがえす、新たな生態系が広がっていることが明らかに。加えて、これまでの調査では発見されていなかった、フグやタイが道頓堀川に棲んでいることが判明する。いったいなぜそんな変化が起きたのか。道頓堀川の半世紀にわたる知られざる真実と、道頓堀川が迎えた“新しい時代”を、千原兄弟のナビゲートで伝える。

■千原兄弟 コメント

――ロケを終えた今の、道頓堀川に対する思いをお聞かせください。

千原ジュニア:いろんな生き物が道頓堀川で見られるようになったらいいなと思います。何年後かにはここで泳げるようになったら、こんなに楽しい街はないと思います。

千原せいじ:いっぱい生き物がいるから、子どもたちがそのことに感化されて大人に「ゴミを(川に)捨てないで!」と注意するようになっていったらいいな、と思いましたね。

――ゴミがひどかったですね。

千原ジュニア:ひどかった! こんなにきれいになってきているのに、なんでペットボトルを川に捨てられるねん。かなわんわ。

千原せいじ:シャンパンのボトルも捨ててたで。信じられへん!

――最後にメッセージをお願いします。

千原せいじ:とりあえず、川にゴミは捨てるな。やめとけ!

千原ジュニア:道頓堀川にあんな生き物がいたとは! どうやら道頓堀川が、我々が知っていた道頓堀川とはだいぶ変わってきているようです。このままきれいになっていけるように、我々にもできることがあればやっていきたいなと思っています。

【編集部MEMO】
『ザ・ドキュメント』は、カンテレで不定期放送されているドキュメンタリー番組。最近では、7月に「もやい 福島に吹く風」が、ドキュメンタリー・アーツ&エンターテインメント部門で銀賞を受賞、8月に、2017年から取材を続ける『揺さぶられっ子症候群を検証した一連の報道』が、優れた調査報道を顕彰する第4回調査報道大賞(NPO法人報道実務家フォーラム、スローニュース主催)映像部門で奨励賞した。