鳥人間コンテストに出場するチームは大学生や社会人によって構成されるチームが大半。
そんな中、偏差値70以上の超名門、埼玉県立浦和高校の生徒により構成されるチームの代表を務める学生は「高校1年間を過ごしてみて、人に誇れることがなかった」と、打ち込むことも見つからず淡々と過ごしていたことがコンプレックスに感じていた中で鳥人間コンテストと出会い、出場を決めたという。
それ以降学生支援団体の協力を得ながらも、クラウドファンディングを実施し320万円を調達、作業場も周りの大人に相談し確保、資金調達や環境整備などを自分たちの力で切り開いてきた。
しかし初めての機体づくりは失敗も多く、試行錯誤の日々。本番3週間前になっても機体が故障するなど様々なハプニングがありながらも一生懸命作業を重ね機体を完成させていく。
本番前日、会場となる琵琶湖にやってきた「Urawa Revolbirds」は審査員たちが実際に機体を見て安全にフライトできるかを確認する「機体審査」を迎える。
これに合格しなければ飛び立つことすら許されないという最後の関門だが、全てが初体験の高校生たちは経験不足からか分解して搬入した機体を組み立てる作業が上手く進まず、本来ならばフライト前日に終えなければいけない機体審査を受けることが出来なかった。
次の日の機体審査に最後の望みをかけ早朝から機体の組み上げに取り組む高校生たち。
そしてようやく機体は完成し、機体審査がスタート。しかしなんと、駆動系をつかさどるワイヤーに不具合が発生し、
水平尾翼が動かなくなるという事態に。
飛行機にとって非常に重要なパーツが意のままに動かせない状態で飛ばすのは安全性の問題上出来ない、という審査員の判断から出場不可となってしまう。
そして会場には「Urawa Revolbirds」の棄権を伝えるアナウンスが響き渡った。
代表を務める学生は「悔しい気持ちももちろんありますけど準備不足だった、近いうちでも少し遠くなってもこのチームでもう1回来たいなと思う」と将来またこの場所に帰ってくるという強い決意を覗かせた。
SNSでは「あの高校生チームの今後が楽しみで仕方ない!」「浦高生の挑戦で号泣した」「次もチャレンジしてほしい!大学生になっても社会人になっても挑戦し続けてほしい!」などの声で溢れており、高校生たちの挑戦は間違いなく多くの人の心を打ったようだ。