米AMDは8月21日(現地時間)、「Ryzen 9000 Series Community Update: Gaming Performance」と題したページを公開し、市販品を用いたレビューがAMD公式スコアに届かないという指摘について回答した。ベータ版のWindowsに含まれた最適化が影響しているようで、消費者の環境でも今後Windows Update経由での性能向上が見込めるようだ。
AMDは数日前にZen 5ベースのRyzen 9000を発売しており、これに先駆けてテック媒体によるレビュー解禁も行われている。絶対的な性能よりも電力効率に極めて長けている世代であるという主張が共通している一方、それにしてもAMD公式が主張する性能には微妙に届いていないのではという指摘があった。
今回AMDはこの指摘について回答しており、社内で実施された自動テストの構成について言及。Windowsのバージョンに主な違いがあったようで、Windows 11 24H2では問題なく公称値近い性能が発揮できるという。
「Zen 5アーキテクチャには、以前の「Zen」世代よりも広い分岐予測能力が組み込まれています。私たちの自動テスト方法は「管理者」モードで実行され、Ryzen 9000シリーズのテストにレビュアーが使用したWindowsのバージョンには存在しない分岐予測コードの最適化を反映した結果が得られています」と述べられており、現行Windowsにはない最適化を反映したスコアだったようだ。
Windows 11 24H2ではこの最適化が含まれるようだが、今すぐ試したい場合にはWindows Insider Programにおける「ビルド 26100」以降でも利用可能。現在Dev Channelとして公開されており、ISOイメージも配布されている(Windows Insider Program参加者向け)。
なお、この最適化はZen 5だけでなくZen 4やZen 3のパフォーマンスにも影響する模様。現在AMDはMicrosoftと協力しているとのことで、24H2の公開前にオプションの更新プログラムとして近日中の展開を行うとしている。