大阪の商店街でご夫婦にところてんについて聞くと「スイーツ系やな」と言う。スイーツ?「黒蜜かけて」と言うので驚いた!「東京は黒蜜じゃないんですか?」いや、大阪は黒蜜なんですか?
おっちゃんらに聞いても「黒蜜で食べるやつや」と同じ回答。「じゃあ何かけるの?」と逆に聞かれて「酢醤油です」と答えると「あんた田舎もんやわ」と見下される。
おねえさんたちに「僕らはところてんに黒蜜は信じられない」とついつい言ってしまったら「なんか、喧嘩か?」と喧嘩腰で返された。いえいえ、そんなつもりは・・・。
大阪では誰に聞いても、ところてんには黒蜜をかけると言う。酢醤油をかけるなんてありえないらしい。
大阪のご家庭にお邪魔し、ところてんを楽しむ様子を取材。買ってきたところてんを、スイーツっぽいガラスの器に入れて、当たり前のように黒蜜をたっぷりかけている。
別のお宅の女子会にお邪魔すると、なんとところてんに黒蜜をかけた上にきなこをかけている!
なぜ大阪ではところてんに酢醤油ではなく黒蜜をかけるようになったのか。大阪調理製菓専門学校の出口勝正さんが教えてくれた。
「ところてんは奈良時代に遣唐使を通じて中国から日本にやってきました。最初は酢とからしで味付けしていましたが、関西では江戸時代に薩摩から黒砂糖が輸入され、これを黒蜜にして食べるようになりました。
さて黒蜜しか知らない大阪の皆さんに酢醤油でところてんを食べてもらった。母と娘のお二人にも試してもらうが、ズルッとすすったお母さんが、エホッエホッとむせてしまった。慣れないと酢にむせちゃうんだね。もう一口試してくれたがやはりエホッエホッ。
別のご夫婦にも酢醤油のところてんを試してもらったが「まずいなあ」「とんでもない味」と超不評。口直しに黒蜜のところてんを出すと爆食い!「うん、うまい!」と完食してしまった。
ちなみに全国的に見るとほとんどの地域でところてんは酢醤油、黒蜜で食べるのは近畿圏のみで少数派。酢醤油で食べるのが、田舎もんってことないと思いますよ、おっちゃん!